アンドリュー・デュランテ

アンドリュー・ジェームズ・デュランテは、1982年5月3日にオーストラリアのシドニーで生まれ、後にニュージーランドに帰化した元プロサッカー選手です。ポジションは主にディフェンダー（DF）を務め、その堅実な守備とリーダーシップで多くのチームを支えました。ニュージーランド代表としても国際舞台で活躍し、引退後もその功績はサッカー界に語り継がれています。

クラブキャリア

デュランテのプロキャリアは、1999年にシドニー・オリンピックFCのリザーブチームでのトライアルから始まりました。しかし、このトライアル中に衝撃的な事件に遭遇します。試合中に胸に銃弾を浴びるというアクシデントに見舞われたのです。幸いにも軽傷で済んだものの、試合は即座に中止され、選手たちはロッカールームに避難しました。犯人は特定されず、デュランテはこの事件を乗り越え、数週間後には再びピッチに戻ることができました。

その後、シドニー・オリンピックで選手としてのキャリアをスタートさせ、パラマッタ・パワーSC、バレスティア・カルサFC、シドニー・ユナイテッド58 FCといったクラブを渡り歩きました。そして2005年、ニューカッスル・ユナイテッド・ジェッツFCに加入し、彼のキャリアは大きな転換期を迎えます。2008年には、グランドファイナルでチームを勝利に導き、自身もジョー・マーストン・メダルを受賞するなど、その実力を証明しました。

2008年の夏には、ウェリントン・フェニックスFCへ移籍し、加入直後からキャプテンを任されることになります。2009年10月には2012年夏までの契約延長を結び、このシーズンはベン・シグムンド、ジョナサン・マケインと共に強固な守備陣を形成し、チームをリーグ4位に押し上げました。2010年3月にはAリーグファイナルで初得点を記録するなど、攻撃面でも貢献しました。

2011年2月21日には、AFCチャンピオンズリーグ2011の要員として、シドニーFCに期限付き移籍し、5試合に出場しました。その後、ウェリントン・フェニックスに復帰し、2012年1月には2015年までの契約延長を結びました。2016年11月5日には、Aリーグ出場250試合を達成し、フィールドプレーヤーとして史上初の快挙を成し遂げました。さらに、2018年2月2日の試合でAリーグ出場279試合となり、ダニー・ヴコヴィッチが持っていた278試合の記録を更新し、史上最多出場記録を樹立しました。しかし、2019年6月11日、11年在籍したウェリントン・フェニックスからの退団が発表されました。

同年6月17日には、Aリーグに新規参入するウェスタン・ユナイテッドFCの初代メンバーとして加入しました。そして、2021年5月19日、シーズン終了をもって現役を引退することを発表しました。

代表キャリア

デュランテは、オーストラリア代表としての経験もあり、2010年2月にはAFCアジアカップ2011予選のインドネシア代表戦に向けた代表メンバーに選出されましたが、出場機会はありませんでした。しかし、2013年3月6日にニュージーランドに帰化すると、翌日にはニュージーランド代表に選出され、新たなキャリアをスタートさせます。2014 FIFAワールドカップ・オセアニア3次予選のソロモン諸島代表戦で代表デビューを飾り、FIFAコンフェデレーションズカップ2017にも出場しました。2018 FIFAワールドカップ・大陸間プレーオフ・ペルー代表戦での敗北を最後に、代表としてのキャリアに終止符を打ちました。

人物

デュランテのルーツは複雑で、曾祖父母がイングランド人であり、ペルーに移住したことが、彼の祖父がリマで生まれるきっかけとなりました。そのため、代表引退試合となった2018 FIFAワールドカップ・大陸間プレーオフのペルー代表戦は、彼自身にとって非常に複雑な思いを抱えた試合だったと言われています。

アンドリュー・デュランテは、その卓越したサッカー技術だけでなく、困難を乗り越える精神力とリーダーシップで、多くのファンやチームメイトに愛されました。彼のキャリアは、サッカー界における一つの偉大な足跡として、今後も語り継がれていくでしょう。

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