アンドリュー・バイナム

アンドリュー・バイナム（Andrew Bynum, 1987年10月27日 - ）は、アメリカ合衆国ニュージャージー州プレインズボロ出身の元プロバスケットボール選手です。NBAのロサンゼルス・レイカーズなどでセンターとして活躍しました。

学生時代

バイナムは、地元ニュージャージー州のセント・ジョセフ高校で才能を開花させました。4年生時には1試合平均22得点、16リバウンド、5ブロックという驚異的な成績を記録。その活躍が認められ、名誉あるマクドナルド・オール・アメリカンチームに選出されました。学業面でも優秀だったバイナムは当初、大学進学を考えていましたが、NBAスカウトの目に留まり、高卒で直接NBA入りを決意しました。

NBAでの活躍

ロサンゼルス・レイカーズ時代 (2005-2012)

2005年のNBAドラフトで、ロサンゼルス・レイカーズから1巡目10位指名を受け、NBA選手としてのキャリアをスタートさせました。2005年11月2日のデンバー・ナゲッツ戦で、18歳と6日という若さでNBAデビューを果たし、当時のNBA最年少選手となりました。

ルーキーシーズンは主に控えとして出場し、出場時間も限られていましたが、2年目の2006-2007シーズンには先発出場機会が増加し、53試合でスターターを務めました。2007年12月25日には、キャリアハイとなる28得点を記録しました。

バイナムの成長は、当時のレイカーズにとって大きな希望の光でした。チームの中心選手であったコービー・ブライアントは、チームの成績不振に不満を抱き、球団に対し補強を要求していましたが、レイカーズはバイナムを将来のチームの中心として考えており、トレード要員として放出することを拒否しました。また、往年の名センター、カリーム・アブドゥル＝ジャバーをコーチとして招聘し、バイナムの育成に力を入れました。

2007-2008シーズン、バイナムは開幕から先発として起用され、平均二桁得点、二桁に近いリバウンドを記録するなど、目覚ましい成長を見せました。しかし、シーズン途中に膝の靭帯を断裂する怪我を負い、長期欠場を余儀なくされました。チームは、この状況を打開するため、メンフィス・グリズリーズからパウ・ガソルを獲得。バイナムの復帰後には、ガソルとの強力なツインタワーが完成すると期待されましたが、バイナムは再手術を受け、そのシーズン中の復帰は叶いませんでした。

翌2008-2009シーズンに復帰したバイナムは、ガソルとのコンビでレイカーズを牽引し、チームはリーグ屈指の強豪へと成長しました。しかし、またしても膝の怪我に見舞われ、再び長期欠場となりました。それでもバイナムは昨年よりも早く復帰を果たし、チームはプレーオフを勝ち進み、NBAファイナルに進出。オーランド・マジックとの対戦では、ドワイト・ハワードとのマッチアップに苦しみましたが、レイカーズは勝利し、バイナムにとって初のNBAチャンピオンとなりました。

2009-2010シーズンもレイカーズはNBAファイナルに進出し、ボストン・セルティックスとの激戦を制し、見事連覇を達成しました。2011-2012シーズンには、自身初のNBAオールスターゲームにも出場を果たしました。

その後

2012年8月10日、トレードでフィラデルフィア・76ersに移籍しましたが、膝の状態が思わしくなく、出場機会を得られませんでした。2013年7月19日にはクリーブランド・キャバリアーズに移籍しましたが、安定した出場は叶わず、24試合の出場にとどまりました。

2014年2月1日、インディアナ・ペイサーズに移籍しましたが、わずか2試合に出場したのみで、アクティブ・ロースターから外れ、そのままチームを去りました。以降、膝の状態を懸念され、獲得に興味を示すチームは現れず、事実上の引退状態となっています。

アンドリュー・バイナムは、その才能とポテンシャルの高さから、NBAの将来を担うセンターとして大きな期待を寄せられていました。度重なる怪我に苦しみ、そのポテンシャルを十分に発揮できたとは言えませんが、ロサンゼルス・レイカーズでの優勝に貢献し、オールスターにも選出されるなど、輝かしいキャリアを築きました。

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