アンドレ・カズヌーヴ

アンドレ・カズヌーヴの生涯と業績

アンドレ・カズヌーヴ（1817年12月10日 - 1874年8月20日）は、フランス陸軍の下士官であり、幕末期に日本において軍事顧問としての役割を果たしました。彼は特に戊辰戦争の際、旧幕府軍を支援し、箱館戦争に参戦したことで知られています。

来日前の経歴

カズヌーヴは、1840年のクリミア戦争におけるセバストポリ攻囲戦での従軍経験があります。この戦争では、フランス軍の一翼を担い、戦闘に参加した実績があります。彼の軍事的な背景は、生涯の後の日本での活動にも大いに影響しました。

日本への来航と幕末の動乱

1867年5月、彼は幕府陸軍の近代化を助けるためにフランスから派遣された軍事顧問団より遅れて来日しました。1868年8月、カズヌーヴは、軍籍を離脱したブリュネと共に榎本武揚が指揮する旧幕府軍に加わりました。彼は仙台で大鳥圭介と再会し、その後、箱館戦争に参戦しました。

カズヌーヴは蝦夷地上陸後、松前や江差の攻略に参加し、戦闘の指揮を取る役割を果たしました。1869年4月には松前での戦闘で負傷し、戦線を離脱することとなります。5月1日、彼はフランス軍艦コエトロゴンに投降し、横浜に帰還しました。その後、駐日公使・マキシミリアン・ウートレーによってサイゴンへ追放されました。

大鳥圭介は、カズヌーヴの実績について、戦術的な感覚も優れており、特に戦地での勇敢さを称賛しました。彼はしばしば兵士に先んじて進軍し、数々の勲功を立てたと評価されています。

戊辰戦争後の活動

カズヌーヴは1871年末に再び日本を訪れ、1873年にはナポレオン3世が贈ったアラビア馬の活用について明治政府に提言しました。この馬は、幕府が軍馬の品種改良を図るために送られたものであり、カズヌーヴはその飼育や調教の指導にあたりました。しかし、戊辰戦争の影響でこのプロジェクトは中断され、当時の明治政府がその価値を理解できなかったことが問題となりました。

カズヌーヴは、26頭の馬のうち9頭の種馬の所在を確認し、さらなる捜索を続けていました。

最期と影響

1874年には平和的な活動を進めるために明治政府に仕官し、東北地方を巡る予定でしたが、途中で病に倒れました。治療の中で医療支援を受けたものの、福島県の浪江町で逝去しました。その年の秋には、彼の友人が遺体を引き取ることとなりました。

カズヌーヴが明治政府で得た地位は、フランス陸軍における中尉に相当するものであり、彼は日本国内における西洋技術の導入に貢献しました。彼の活動は、後の日本陸軍の近代化にも影響を与えたと評価されています。

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