アンドロメダ座アルファ星

アンドロメダα星について

アンドロメダα星は、アンドロメダ座に属する恒星であり、その明るさは2等星に相当します。この星は、1928年以前にはアンドロメダ座とペガスス座の両方に所属していた歴史を持ち、特徴的にはペガススの大四辺形を形成する恒星の一つでもあります。

名称と由来

この恒星の学名はα Andromedae（略称：α And）であり、固有名のアルフェラッツ（Alpheratz）はアラビア語の「馬」を意味する言葉に由来します。2016年6月30日、国際天文学連合はこの星の固有名を正式に承認しました。さらに別名としてシラー（SirrahまたはSirah）も知られており、その名前はアラビア語の「馬のへそ」という意味のフレーズに基づいています。

二重所属の歴史

アンドロメダα星は地理的にペガスス座の北西に位置しており、過去にはアンドロメダ座とペガスス座の両方にまたがって所属していました。しかし、1928年の国際天文学連合の総会で、アンドロメダα星はアンドロメダ座にのみ帰属することが決定され、以降ペガスス座から外れました。このため、かつて用いられた名称ペガスス座δ星（δ Peg）は現在では一般的には使われていない状況です。

性質と特徴

アンドロメダα星は分光連星であり、主星と伴星は非常に近接した軌道を持っています。このため、肉眼で見る限り、連星系であることは判別できません。主星は伴星の約10倍の光度を持ち、お互いを約96.7日周期で周回しています。

主星は「水銀・マンガン星」と呼ばれる特異なタイプの恒星であり、これらの恒星の中では最も明るいものとして知られています。この星の大気中では、水銀、ガリウム、マンガン、ユウロピウムといった元素が異常に多く観測され、他の元素は少ないことが特徴です。このような異常な元素の分布は、星の重力と中心からの放射圧が影響を与えていると考えられています。

また、アンドロメダα星はりょうけん座α2型変光星に分類され、約23.19時間周期でその明るさが+2.02等から+2.06等の間で変化します。これにより、夜空での観測に際して微細な明るさの変化が見られることがあります。

まとめ

アンドロメダα星は、その魅力的な二重の性質と独特な歴史によって、星座の中でも際立った存在です。明るい恒星としての特性はもちろん、古来からの名称とその由来も含め、天文学的な視点からも多くの興味を引く恒星と言えるでしょう。

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