アンナプルナ

アンナプルナ

アンナプルナ（サンスクリット: अन्नपूर्णा、ネパール語: अन्नपूर्ण）は、ネパールのヒマラヤ[[山脈]]に広がる山群で、東西約50 kmにわたって連なっています。その名は「豊穣の女神」を意味し、8061 mの主峰を始め、Ⅱ峰（7937 m）、Ⅲ峰（7555 m）、Ⅳ峰（7525 m）、南峰（7219 m）、ガンガプルナ（7455 m）などが存在します。標高で言えば、Ⅰ峰は世界で10番目に高い山です。

アンナプルナの魅力

アンナプルナは、ネパールのポカラや周辺の町、ダンプスやサランコットなどから比較的簡単にその姿を楽しむことができます。かつての鎖国時代には外国人の立ち入りが禁止されていましたが、1950年に開国し、同年6月3日にフランスのモーリス・エルゾーグ率いる登山隊がⅠ峰の初登頂を達成しました。これは、人類が初めて登頂した8000メートルを超える山であり、エベレストの登頂が行われる3年前のことでした。

登山の難易度と歴史

アンナプルナはその高さにもかかわらず、登頂難度は決して容易ではありません。特に北面は雪崩の危険が常に伴い、南面は岩と氷で覆われた大岩壁が立ちはだかります。最も多く使われる北面のルートでも雪崩が頻発し、過去にも多くの登山者が命を落としています。その結果、8000[[メートル峰]]の中でも登頂者数は最も少なく、2012年3月時点では191人の登頂者に対し、61人もの死亡者が出ています。この高い死亡率の背景には、商業登山の対象になりにくいことや、高難度のルートを選択する傾向が挙げられます。

初登頂の歩み

初登頂を果たしたモーリス・エルゾーグらのフランス隊の挑戦には特筆すべき特徴があります。軽量なナイロン製品を使用し、氷の壁を登るアルプス式の技術を取り入れ、また限られた時間内に登頂を実現したことは、成功と同時に多くの困難も伴いました。登頂したエルゾーグとラシュナルは、足指20本と手指10本を凍傷で喪失し、この遠征が持つ危険性を再認識させる結果となりました。

発展する登山史

その後もアンナプルナは、さまざまな登山隊によって挑まれ、多くの歴史的な登頂が行われました。1964年には京都大学の登山隊が南峰に初登頂、1970年には日本の女子登攀クラブがⅢ峰に到達しました。1970年には英隊による南壁からの登頂が達成される一方、1980年代以降の挑戦も続きます。特に冬季の登頂は数回行われ、1987年にはポーランドの隊が冬季での初登頂を果たしました。

最新の出来事

2014年にはアンナプルナ周辺で大規模な雪崩が発生し、43人が命を落とすという過去最悪の遭難事故が発生しました。このように、アンナプルナはその美しい景観と共に、登山者にとっての厳しい試練の場でもあるのです。

関連文献

アンナプルナに関する著作は多く存在し、モーリス・エルゾーグによる『処女峰アンナプルナ』や、クリス・ボニントンの著す『アンナプルナ南壁』などが高く評価されています。これらは登山の魅力を伝えると同時に、危険と挑戦を抱えるこの山の物語を知るために大いに役立ちます。

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