アンニーバレ・デ・ガスパリス

アンニーバレ・デ・ガスパリス（Annibale de Gasparis, 1819年11月9日 - 1892年3月21日）は、19世紀に活躍したイタリアの著名な天文学者です。イタリア南部のブニャーラで生まれ、その生涯を天文学の研究と教育に捧げました。彼は、1851年から1889年までナポリ大学で教授として教鞭を執り、同時に1864年からはナポリのカポディモンテ天文台の台長も兼務しました。

ガスパリスの研究は、特に小惑星の発見において顕著な功績を上げました。彼は数多くの小惑星を発見し、それらの軌道計算に尽力しました。その功績は国際的にも高く評価され、1851年には王立天文学会からゴールドメダルを授与されました。これは、彼の卓越した業績を称えるものであり、彼の国際的な名声を確立する上で重要な出来事でした。

ガスパリスは、天文学の教育にも熱心であり、ナポリ大学での教育活動を通じて、多くの若い天文学者を育成しました。彼の教育に対する情熱と貢献は、後世の天文学研究に大きな影響を与えました。また、カポディモンテ天文台の台長としては、天文台の運営と研究活動を牽引し、イタリアの天文学発展に大きく寄与しました。

ガスパリスの業績を記念して、彼の名前は天体や地形に付けられています。特に有名なのは、以下の通りです。

デ・ガスパリス (小惑星)：火星と木星の間の小惑星帯を公転する小惑星であり、彼の発見した小惑星の一つです。
デ・ガスパリス (クレーター)：月の西側、湿りの海の西端に位置する直径約30キロメートルのクレーターで、彼の名誉を称えて命名されました。このクレーターは、月面研究における重要な観測対象の一つです。
デ・ガスパリス谷：上記のクレーターの周辺に広がる、直径約130キロメートルの区域を占める細長い溝の集まりです。この谷は、月面地形の複雑さを物語る地形として知られています。

これらの命名は、ガスパリスが天文学に与えた影響の大きさを象徴しており、彼の研究成果が現代の天文学においても重要な役割を果たしていることを示しています。

アンニーバレ・デ・ガスパリスは、1892年にナポリで亡くなりましたが、彼の残した業績は今日まで天文学界に大きな影響を与え続けています。彼の研究と教育への情熱は、未来の世代の天文学者たちにとって、偉大な模範となるでしょう。

参考文献:

Gargano, Mauro (2014). “Annibale de Gasparis” ([イタリア]]語). Polvere di Stelle. [http://www.beniculturali.inaf.it/sicap/opac.aspx?WEB=INAFS&TBL=AST&ID=91.
* Gargano, Mauro (2011). “Ausonia: il pianetino dell'Unità d'Italia” ([イタリア]]語). Giornale di Astronomia 37 (4): 10-20. ISSN 03901106. [http://www.libraweb.net/articoli.php?chiave=201108804&rivista=88.

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