アンバー・ラッド:イギリスの政治家、その経歴と政策
アンバー・オーガスタ・ラッド(Amber Augusta Rudd、
1963年8月1日 - )は、
イギリスの
政治家であり、投資家としても活動しています。彼女は、2016年から2018年まで内務大臣、2018年から2019年まで労働・年金大臣を務めました。
2010年の総選挙で、ヘイスティングズ・アンド・ライ選挙区から保守党の
庶民院議員として初当選しました。しかし、2019年の総選挙には不出馬を表明し、議員を引退しています。
ラッド自身は、自身を一国保守主義者と位置づけています。彼女は移民に関して厳しい政策を主張する一方で、
社会自由主義的な政策と
社会保守主義的な政策の両方に関わってきました。
初期の経歴
メリルボーンで生まれたラッドは、
エディンバラ大学で歴史学を学びました。その後、
投資銀行家としてキャリアをスタートさせ、2010年の総選挙で現職の労働党議員を破り、
庶民院議員に選出されました。キャメロン内閣では、気候変動担当政務次官やエネルギー・気候変動大臣を歴任し、
再生可能エネルギー資源や気候変動の緩和に取り組みました。
内務大臣としての役割
2016年7月、
テリーザ・メイ首相によって内務大臣に任命され、2018年1月からは平等担当大臣も兼務しました。彼女は
イギリス史上3人目の女性内務大臣であり、第二次世界大戦後、最も早く四大閣僚に就任した
政治家の一人です。しかし、ウィンドラッシュ事件への関与が問題となり、2018年4月に内務大臣を辞任しました。
労働・年金大臣、そして辞任
2018年11月、ラッドは労働・年金大臣に任命され、その後、平等担当大臣も引き継ぎました。しかし、2019年9月には、ジョンソンのブレグジット政策と保守党議員の除名に抗議し、閣僚を辞任しました。
生い立ちとキャリア
ラッドは、株式仲買人の父と治安判事の母の間に生まれました。彼女の母方の先祖には、チャールズ2世やエリザベス女王も含まれています。チェルトナム・レディース・カレッジやクイーンズ・カレッジ・
ロンドンを経て、
エディンバラ大学で歴史学を専攻しました。大学卒業後はJPモルガンに入社し、
投資銀行家として活躍しました。
また、彼女は映画業界にも関わっており、「
フォー・ウェディングス・アンド・ア・フューネラル」のエキストラを手伝った経験もあります。
議会での活動
2005年の総選挙で保守党候補者として立候補した後、ラッドは保守党のAリストに加えられました。2010年に
庶民院議員に選出されてからは、
女性器切除反対運動や男女平等運動、そして中等学校での法定の性と人間関係の教育を推進しました。また、内閣における女性の割合向上も訴えました。
エネルギー・気候変動大臣として
2015年、エネルギー・気候変動大臣に昇格したラッドは、
イギリスの石炭火力発電所を2025年までに閉鎖することを提案しました。また、欧州連合に関する国民投票では、残留派として活動しました。
内務大臣としての政策
内務大臣として、ラッドは欧州連合離脱後の
イギリスにおける移民政策に取り組みました。彼女は、オーストラリア国民に対する特別な入国許可を否定し、移民に関する厳しい姿勢を示しました。しかし、2018年には、国外追放目標に関する内務特別委員会で虚偽の答弁をしたとして、内務大臣を辞任しました。
アンバー・ラッドは、保守党の
政治家として、多様な政策に関与し、重要な役職を歴任しました。そのキャリアは、一国保守主義の立場から、
イギリス社会に影響を与え続けています。