アンパン道路

アンパン道路は、北海道札幌市豊平区に位置する、国道36号（月寒通）と国道453号（平岸通）を結ぶ道路の通称です。現在の白石藻岩通（北海道道453号西野白石線）の一部と重なる区間も存在します。

歴史的背景

1910年（明治43年）、豊平町の一部が札幌区に編入され、役場が豊平から月寒へ移転されることになりました。当時、りんご栽培で知られていた平岸と月寒を結ぶ道路がなく、平岸の住民は連絡道路の建設を切望し、分離独立運動まで起きました。

事態を受け豊平町は、当地に駐留していた陸軍第7師団歩兵第25連隊に道路建設の協力を要請し、地元住民も参加して全長約2.6キロメートルの道路建設工事が行われました。4か月の工期を経て1911年（明治44年）に、歩兵第25連隊将校集会所（現在のつきさっぷ中央公園）と豊平町役場（現在の月寒児童会館）を結ぶ道路が完成しました。

道路工事に従事した兵士に、町があんパン（現在も月寒あんぱんとして販売）を間食として配布したことから、この道路は「アンパン道路」という愛称で親しまれるようになりました。

経路

アンパン道路の経路は以下の通りです。

1. 国道36号と月寒中央通6丁目-7丁目間の交差点が起点となり、そこから南西に進みます。
2. 月寒西3条6丁目で坂を下ると丁字路に差し掛かるので、そこを右折して北西へ向かいます。
3. さらに南西へ進むと急カーブとなり、右手に月寒公園を眺めながら上り坂を進みます。
4. 羊ケ丘通との変形6差路では、平岸6条郵便局の入居するビルの左手にある細い道へ入ります。
5. 約100メートル進むと白石藻岩通（北海道道453号西野白石線）に出るので、そこを右方向（西）へ進み、坂を下っていきます。
6. 札幌市営地下鉄南北線南平岸駅の高架下を抜けた場所には、本来左斜め前に進む道がありましたが、白石藻岩通建設の際に今崎道路と接続するため約50メートルが閉鎖されました。
7. ステーションビルの脇にある道を左に入り、すぐに右へ進むと、閉鎖されずに残った道に入ることができます。そこを直進すると平岸通に出ますが、正面には札幌市立平岸小学校が見えます。

参考文献

さっぽろ文庫58 『札幌の通り』、札幌市教育委員会編、北海道新聞社、1991年、46頁

関連項目

あんパン
国道36号
国道453号
北海道道453号西野白石線
月寒公園
月寒あんぱん
土木工事等の受託 (自衛隊))

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