ア・トライブ・コールド・クエスト

ア・トライブ・コールド・クエスト（A Tribe Called Quest）

ア・トライブ・コールド・クエスト（A Tribe Called Quest、通称ATCQ）は、1988年に結成されたアメリカのヒップホップグループです。デ・ラ・ソウルやジャングル・ブラザーズらと並び、ネイティブ・タンの中核として、ヒップホップの新たな可能性を追求しました。1998年に一度解散しましたが、2006年に再結成を果たし、再び音楽シーンにその存在感を示しました。

来歴

1988年、Qティップとアリ・シャヒードを中心に、ファイフ・ドーグとジェロビが加わりグループが結成されました。ジャングル・ブラザーズやDJレッドアラートの後押しを受け、1989年にシングル「Description Of A Fool」でデビュー。

1990年には、ファースト・アルバム『ピープルズ・インスティンクティヴ・トラヴェルズ・アンド・ザ・パスズ・オブ・リズム』を発表。キャノンボール・アダレイやロイ・エアーズなどのジャズ素材をサンプリングに使用し、ジャズの要素をヒップホップに取り入れた斬新なサウンドは、当初「踊れないアルバム」と酷評されることもありました。しかし、3枚目のシングル「Can I Kick It?」がナイキのCMに起用されたことで、徐々に人気を獲得していきました。

1991年発表の『ロウ・エンド・セオリー』では、ジャズ・ベーシストのロン・カーターを迎え、さらにジャズの影響を色濃く反映させたサウンドを展開。「Jazz (We've Got)」などの楽曲を含む本作は、評論家から高い評価を受け、商業的にも成功を収めました。その音楽性は高く評価され、『ローリング・ストーン誌が選ぶオールタイム・ベストアルバム500』では153位にランクインしています。

1993年のサード・アルバム『ミッドナイト・マローダーズ』も大成功を収め、プラチナ・ディスクを獲得。グループ史上最大のヒット曲「Award Tour」も収録されており、前作と並ぶ名盤として評価されています。

1998年にグループは解散しましたが、2006年に再結成。2013年に再び解散しましたが、2015年11月にはテレビ出演のため一時的に再結成も果たしました。

2024年4月には『2024年度ロックの殿堂 パフォーマー部門』での殿堂入りが発表され、その音楽的な功績が改めて評価されました。

メンバー

Qティップ（Q-Tip）: MC、プロデューサー。グループ解散後はソロ活動や俳優としても活動しています。
ファイフ・ドーグ（Phife Dawg）: MC。バスケットボール選手を目指していましたが、グループに加入。2016年に糖尿病の合併症により逝去。
アリ・シャヒード・ムハマド（Ali Shaheed Muhammad）: DJ、プロデューサー。
ジェロビ・ホワイト（Jarobi White）: 1989年に加入し、1stアルバム発表後に脱退しましたが、2006年の再結成時に復帰。

ディスコグラフィ

アルバム

ピープルズ・インスティンクティヴ・トラヴェルズ・アンド・ザ・パスズ・オブ・リズム (1990)
ロウ・エンド・セオリー (1991)
ミッドナイト・マローダーズ (1993)

映画

ビーツ、ライムズ・アンド・ライフ ～ア・トライブ・コールド・クエストの旅～ (2011)

ア・トライブ・コールド・クエストは、その革新的な音楽性で、ヒップホップの可能性を広げただけでなく、後の音楽シーンに多大な影響を与えました。彼らの音楽は、今もなお多くの人々に愛され続けています。

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