デ・ラ・ソウル

デ・ラ・ソウル：ヒップホップ史に燦然と輝く革新者たち

ニューヨーク州ロングアイランド出身のヒップホップ・トリオ、デ・ラ・ソウル。A Tribe Called QuestやJungle Brothersらと共にネイティブ・タンズの中核を担い、独自のユーモアとサウンドでヒップホップ、特にジャズ・ラップやオルタナティブ・ヒップホップの発展に多大な貢献を果たしたグループとして知られています。

ユニークなサウンドと卓越した音楽性

彼らの魅力は、陽気でウィットに富んだ歌詞、革新的なサンプリング、そして絶妙なスキットの配置にあります。1989年のデビューアルバム『スリー・フィート・ハイ・アンド・ライジング』は、その斬新な音楽性と高い完成度から、ヒップホップ史に残る傑作と評価されています。特に、ファンカデリックの名曲「Knee Deep」をサンプリングした「Me Myself and I」は、アフリカ系アメリカ人の間で大きな人気を博しました。

メンバー紹介

Posdnuos (ポス): グループのMCおよびプロデューサー。類まれな才能を持ちながら、過小評価されていると評されることも多い、実力派アーティストです。
Trugoy the Dove (トゥルーゴイ・ザ・ダヴ): MCおよびプロデューサー。本名はDavid Jolicoeur。名前の由来は[ヨーグルト]の綴りを逆にしたものであり、本人もヨーグルト好きを公言していました。2023年に惜しまれつつも逝去。
Maseo (メイス、Pasemaster Mase): MC、プロデューサー、DJ。自身を「Bボーイ」と呼び、自身の経験や社会情勢を音楽に反映させています。

3人は高校の同級生で、その絆が彼らの音楽活動の基盤となっています。

数々のアーティストとのコラボレーション

デ・ラ・ソウルは、数多くのアーティストとのコラボレーションでも知られています。特に、プリンス・ポール(Prince Paul)は初期作品のプロデュースを手掛け、彼らのキャリアを大きく後押ししました。 また、2006年には[ゴリラズ]とのコラボレーション曲「Feel Good Inc.」でグラミー賞最優秀ポップ・ボーカル・コラボレーション賞を受賞するなど、グローバルな成功を収めています。日本のR&BシンガーDOUBLEとの共演も記憶に新しいところです。

膨大なディスコグラフィー

彼らの音楽遍歴は、数多くのアルバムやEP、シングルに刻まれています。

スタジオ・アルバム:
『スリー・フィート・ハイ・アンド・ライジング』(1989)
『デ・ラ・ソウル・イズ・デッド』(1991)
『バルーン・マインド・ステイト』(1993)
『ステークス・イズ・ハイ』(1996)
『アート・オフィシャル・インテリジェンス (モザイク・サンプ)』(2000)
『AOI:BIONIX』(2001)
『ザ・グラインド・デイト』(2004)
『ファースト・サーヴ』(2012)
『アンド・ジ・アノニマス・ノーバディ』(2016)

他にもEP、ライブアルバム、コンピレーションアルバムなどを多数リリースしており、その音楽活動は実に多岐に渡ります。

音楽史に刻まれた影響

デ・ラ・ソウルは、その革新的な音楽性とユニークなスタイルで、後のヒップホップアーティストに大きな影響を与えました。彼らの音楽は、時代を超えて愛され続け、ヒップホップ史に燦然と輝く存在として記憶されています。 彼らの音楽を聴けば、その理由がすぐに理解できるでしょう。

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