アーギュスト・マルムストレム

アーギュスト・マルムストレム（August Malmström、1829年10月14日 - 1901年10月18日）は、19世紀のスウェーデンを代表する画家の一人です。彼の生涯と作品は、スウェーデンの美術史において重要な位置を占めています。

生い立ちと初期の才能

マルムストレムは、エステルイェータランド県で代々大工を営む農家に生まれました。幼い頃から、教会の内装などを手伝う中で、絵の才能を開花させます。家族からの支援を受け、1849年11月、21歳でストックホルムのスウェーデン王立美術院に入学しました。

美術アカデミーでの修行

王立美術院では、その才能を遺憾なく発揮し、様々な援助を受けながら修行を続けました。1855年には、海外留学のための奨学金を得るべく展覧会に参加しますが、入選は果たせませんでした。当時、北欧の美術家たちは、より進んだ美術教育が提供されていたデュッセルドルフ美術アカデミーへの留学が盛んであり、マルムストレムもその流れに乗り、1856年から2年間デュッセルドルフで研鑽を積みました。

デュッセルドルフで描いた絵画をスウェーデンの展覧会に出品したところ、賞を受賞し、王立美術院から海外留学の資金援助を得られるようになりました。デュッセルドルフでは、ノルウェー出身の画家、ハンス・フレデリック・ギューデ（Hans Fredrik Gude）に師事し、その後パリを訪れ、トマ・クチュールに学びました。

イタリアへの旅と帰国後の活躍

1859年から1860年の間と1863年にはイタリアを旅し、現地の芸術に触れました。1864年にスウェーデンに帰国すると、美術院の会員となり、1867年には美術院の教授に就任しました。1887年から1893年までは、美術院の美術学校の校長を務め、後進の育成に尽力しました。

マルムストレムは、油絵だけでなく、新聞やペテル・クリスティン・アスビョルンセン、ザクリス・トペリウスの著作などの挿絵も手掛け、幅広い分野で才能を発揮しました。

主な作品

妖精の踊り
Älvalek
グリムヒルドはシグルドに復讐を誓う
インゲボルグ
子供の洗礼式
王ビルギールの発見
クリスマスイブ

マルムストレムの遺産

アーギュスト・マルムストレムは、画家としてだけでなく、教育者としてもスウェーデンの美術界に大きな足跡を残しました。彼の作品は、スウェーデンの自然や歴史、文化を反映しており、国民的な画家として広く愛されています。

参考文献

Malmström, Johan August. In: Hermann Alexander Müller: Biographisches Künstler-Lexikon. Verlag des Bibliographischen Instituts, Leipzig 1882, S. 350.

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