アーサー・コミー

アーサー・コミー

アーサー・コミー（Arthur Comey、1886年 - 1956年）は、アメリカ合衆国の造園家、地域計画家です。

初期教育とキャリア

コミーは1907年、ハーバード大学デザイン大学院でランドスケープアーキテクチャを学び、卒業しました。在学中は、フレデリック・ロー・オルムステッド・ジュニアのもとで影響を受けました。卒業後、海外視察を経て帰国し、1908年にはイリノイ州ディクソンの公園委員を務めます。翌年からはニューヨーク州ウティカで公園管理監督者として働き、公共空間の運営に関する経験を積みました。

コンサルタント活動と主要プロジェクト

その後、マサチューセッツ州ケンブリッジに移り、都市計画のコンサルタントとして活動を開始しました。1913年と1914年の計画コンテストでの活躍により知名度を高め、数多くの町や都市の計画策定に関わるようになります。マサチューセッツ州郊外の邸宅庭園デザインも手がけ、この分野でも名を知られました。

特に注目されるのは、1912年に担当したテキサス州ヒューストンの都市計画です。コミーはこの計画で、市中心部に格式ある軸線を設け、湖の北側には二つの橋の間に水辺空間を配置しました。また、南西部の丘陵地帯には住宅街を計画し、地形に沿って多くの放射状道路を配した点が特徴的でした。彼は他の都市計画においても、線状の公園や特定の開けた土地を活用して、それぞれの地域を区画する方法論を示しています。

理論と教育

コミーは計画実務に加え、理論的な貢献も行いました。1916年にはシカゴの設計競技「シティクラブ」で二等を受賞しています。1923年には専門誌『ランドスケープアーキテクチュア』に「イギリス・ガーデンシティの挑戦に対する回答」と題する地域計画論を発表し、田園都市論に対する批判と自身の代案を提示しました。

1928年には母校ハーバード大学で教鞭をとり始め、都市計画と地域計画学の准教授に就任しました。教育者として次世代の育成に携わる傍ら、アメリカ都市計画研究所などの専門家学会に積極的に参加し、自らの見解を示しながら都市・地域計画分野の発展に寄与しました。

アーサー・コミーは、実践家と理論家、教育者として、20世紀初頭のアメリカの都市・地域計画分野に重要な足跡を残しました。

主な著作

• - ドーバー、ニュージャージー州、1913年のためのまちづくり
• - ビルリカマサチューセッツ州庭の郊外・第1～4巻、1912年
• - トランジションゾーニング
• - デトロイト郊外の計画：都市計画・改善委員会への報告

もう一度検索