アーサー・パパス

アーサー・パパスの軌跡：指導者としての挑戦

アーサー・パパスは、1980年2月12日生まれのオーストラリア人サッカー指導者です。かつてはアマチュア選手としてプレーしていましたが、度重なる膝の怪我により25歳で現役を引退。16歳から指導者としての学びを始めていた彼は、引退後、本格的に指導者の道を歩むことを決意しました。

指導者としての基礎

大学で運動学やスポーツコーチングを学び、複数の指導者ライセンスを取得。さらに、オランダサッカー協会（KNVB）の指導者養成コースにも参加し、2年間を過ごしました。これらの学びを通して、彼は指導者としての基礎を築き上げました。

監督としてのキャリア初期

2010年、30歳という若さでオークリー・キャノンFCの監督に就任。これは当時のリーグ最年少記録でした。初戦を勝利で飾ると、チームをプレーオフに導くなど、その手腕を発揮。ビクトリア州サッカー連盟の年間最優秀コーチにも選出されました。

その後、ニューカッスル・ジェッツでトップチームのアシスタントコーチ兼ユースチーム監督を務め、インドではAIFF-FIFAナビムンバイ地域アカデミーの監督に就任。インドU-23とパリアン・アローズの監督も兼任しました。インドでの挑戦は、ユース育成システムの再構築という大きな目標に向けたものでした。デンポSCの監督を務めた後、健康上の理由でオーストラリアへ帰国しました。

オーストラリア復帰と海外への再挑戦

オーストラリアに帰国後、古巣オークリー・キャノンFCの監督に復帰。その後、グリーン・ガリーSCを率いてFFAカップで躍進を見せました。2017年には、アル・イテファクのアシスタントコーチとしてサウジ・プロフェッショナルリーグで指導。同リーグ初のオーストラリア人指導者となりました。

日本での活躍

2019年、横浜F・マリノスのトップチームコーチに就任し、J1リーグ優勝に貢献。翌年にはヘッドコーチに昇格し、クラブ史上初となるACL決勝トーナメント進出を果たしました。その後、鹿児島ユナイテッドFCの監督に就任しましたが、家庭の事情により退任し、再びオーストラリアへ帰国しました。

さらなる挑戦

2021年には、古巣ニューカッスル・ジェッツの監督に就任。そして2023年、タイ・リーグ１のブリーラム・ユナイテッドFCの監督に就任し、新たな挑戦を続けています。

サッカー哲学

パパスは、元オーストラリアU-20監督のヤン・フェルシュライエンの哲学を支持しており、選手には積極性と先回りの思考を求めています。また、選手との信頼関係を重視し、冷静な態度で接することを心がけています。

パパスは「感情的になるのではなく、冷静さを保ち、落ち着いて問題解決に向けて対処することが大切。選手との関係性は誠実さと信頼が鍵」と語っています。彼の指導は、選手の自主性を尊重し、チーム全体としての成長を促すことを目指しています。

まとめ

アーサー・パパスは、選手としての経験と、その後の指導者としての学びを活かし、数々のクラブで実績を上げてきました。彼のサッカー哲学は、選手との信頼関係を築き、冷静な判断を促すことにあります。これからも彼の活躍から目が離せません。

主なタイトル

ビクトリア州プレミアリーグ準優勝（オークリー・キャノンFC、2011年）
ビクトリア州プレミアリーグ年間最優秀コーチ（2011年）

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