アーサー・ビナード

アーサー・ビナードについて

アーサー・ビナード（Arthur Binard、1967年7月2日生まれ）は、アメリカのミシガン州に生まれた詩人、俳人、エッセイストおよび翻訳家であり、現在は日本の広島市に居住しています。彼は独自の視点から日本語や日本文化に深い理解を示し、さまざまな形式で表現を続けています。

経歴

アーサーは20歳の時にヨーロッパに渡り、ミラノでイタリア語を学んだ後、ニューヨーク州のコルゲート大学で英米文学を専攻しました。卒業論文の調査中に出会った漢字や日本語に対する興味から、1990年には単身で日本に渡りました。渡日後、彼は小熊秀雄の童話『焼かれた魚』の英訳を行い、そこから日本語での詩作や翻訳活動を本格的に開始しました。

彼の活動は詩に留まらず、エッセイや絵本、さらにはラジオパーソナリティとしても多岐にわたっており、日本国内での講演を通じて自らの考えや理念を広めています。特に平和の重要性を訴える活動に献身しており、9条の会のメンバーとしても知られています。家庭では詩人の妻、木坂涼との生活を楽しんでいます。

受賞歴

アーサー・ビナードは、その創作活動において数多くの賞を受賞しています。2001年には詩集『釣り上げては』で中原中也賞を受賞。続いて、2005年にエッセイ『日本語ぽこりぽこり』で講談社エッセイ賞を受賞しました。さらに、彼の絵本や詩集も高く評価され、2008年には詩集『左右の安全』で山本健吉文学賞を受賞し、2012年には広島文化賞を受賞しました。また、2013年には絵本『さがしています』が2つの異なる賞を受賞するなど、その業績が多くの人々に認められています。

人物・エピソード

アーサーは納豆を好物とし、名刺には名前を漢字で「朝美納豆」と記載しています。また、東京都内や周辺の移動には自転車をよく用いており、普段の生活においても生活の一部として利用しています。大学時代には交際していた女性を追ってイタリアへ渡った後、ニューヨークに戻り学業に復帰したこともあり、彼の人生には冒険が多く見受けられます。

また、講演活動の中で「さいたさいたセシウムがさいた」というタイトルを提案した際には抗議が寄せられ中止となり、その内容が故に発信するメッセージの難しさを痛感しました。彼の言葉や活動は、時に波紋を呼ぶこともありますが、それは彼が持つ強いメッセージ性故のことです。

メディア出演

アーサー・ビナードはテレビやラジオにも多数出演しており、NHK教育テレビの『視点・論点』や『地球エコ2009』、またBS11の『ウィークリーニュースONZE』など、さまざまなプログラムで彼の見解を披露しています。さらにYouTubeやコミュニティFMの番組にも参加し、幅広い分野で活躍しています。

著書と翻訳

彼の著作には、多くの詩集やエッセイ、絵本があり、それぞれ独自の視点から日本文化にアプローチしています。翻訳にも力を入れており、小熊秀雄の作品やその他多くの国際的な作品を日本語に翻訳するなど、国境を越えた文化交流に貢献しています。

アーサー・ビナードは、詩を通じて日本とアメリカを繋ぐ架け橋として、また日本の文化や言葉を広める重要な存在として、今後も多くの人々に影響を与え続けることでしょう。

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