アーサー・ヴァンデンバーグ

アーサー・ヘンドリック・ヴァンデンバーグ

アーサー・ヘンドリック・ヴァンデンバーグ（1884年3月22日 - 1951年4月18日）は、アメリカ合衆国の著名な政治家であり、ミシガン州を代表する連邦上院議員として1929年から1951年までの間、活躍しました。彼は共和党に所属し、1947年から1949年には上院外交委員長、また同期間中は上院仮議長としてもその地位を務めました。

初期の経歴

ヴァンデンバーグはミシガン州のグランドラピッズで生まれ育ちました。アナーバーのミシガン大学で法学を学んだ後、地元に帰郷し、1906年から1928年の間、グランドラピッズの新聞社であるグランドラピッズ・ヘラルド社に勤務します。彼は記者としてキャリアをスタートさせ、編集者を経て、最終的には社長兼発行者にまで昇進しました。彼のこの経験は、政治活動への道を切り開くことになります。1928年には上院議員のウッドブリッジ・フェリスが急逝し、その後任として一時的に上院議員に任命され、その年の選挙で当選を果たしました。その後、4回連続で再選に成功します。

上院議員時代前期

ヴァンデンバーグは上院外交委員会での活動を通じて党内でも影響力を持つようになりました。彼は中西部の議員たちと同様に孤立主義者の一員とされ、特に民主党のジェラルド・ナイ上院議員との関係が深まりました。1940年の大統領選挙では、彼の孤立主義者としての立場が顕著に表れ、共和党内の候補者指名をめぐって激しい競争に挑みますが、最終的にはウェンデル・ウィルキーが党の候補者に選ばれることとなり、彼の野望も実現しない結果となります。その後も、彼は孤立主義の立場を貫いてアメリカの第二次世界大戦への参戦に対して反対し続けました。

上院議員時代後期

しかし、1941年12月7日に真珠湾攻撃が発生すると、彼の政治的立場は大きく変わることになります。彼は日記に「孤立主義はこの日をもって終焉した」と記しており、これを契機に国際主義に転向しました。ヴァンデンバーグは戦後秩序の構築に強い関心を持ち、1945年には国際連合設立のためのサンフランシスコ会議に出席しました。その後も多くの国際会議に参加し、1946年には国連総会に出席、連合国外相会議にもアドバイザーとして参加しました。1947年にはパン・アメリカ会議に出席し、米州相互援助条約の締結を推進する役割も果たしました。

冷戦の開始に伴い、彼はトルーマン政権の冷戦政策を支持し、トルーマン・ドクトリンやマーシャル・プラン、北大西洋条約機構（NATO）などの政策に賛成しました。これにより、彼は上院におけるコンセンサス形成の鍵となる人物となり、1946年の中間選挙で共和党が上院の多数派となった後、上院外交委員長に就任しました。その後、マーシャル国務長官の辞任後には、その後任としての候補に挙がることもありました。

死去

最終的に、1951年にヴァンデンバーグは上院議員として在職のまま亡くなります。彼の功績は評価され、2004年にはアメリカ上院史に名を残す偉大な議員として選ばれ、彼の肖像画が上院のレセプションに飾られることとなりました。この栄誉は彼の遺産を象徴するものであり、彼は歴史に名を刻む重要な政治家の一人と見なされています。

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