アーシューラー (ミサイル)

アーシューラー：イランの中距離弾道ミサイル

アーシューラーは、ペルシア語で「アーシュラー」と称されるイランの中距離弾道ミサイルであり、2007年11月28日から実戦配備が始まりました。このミサイルは固体燃料を使用しており、射程は2000kmから2500kmに及びます。この性能により、イスラエルがその攻撃範囲に含まれることになります。

開発と技術

アーシューラーの開発においては、北朝鮮や中国からの技術的支援があったと考えられています。2007年11月、イラン国防大臣のモスタファ・モハマド＝ナッジャルは、新型ミサイルの製造を発表しました。彼の発表によれば、射程2000kmのアーシュラーは国防省の成果の一部であり、ミサイルの開発はイランの防衛能力を高めるものであるとしています。

ナッジャル大臣は「イラン共和国はいかなる国へも攻撃を行わない。しかし、何者かがイランへ侵攻を企てるのであれば武力によって反撃する」とも述べています。これは、アーシューラーのようなミサイルでも、戦略的な抑止力として機能することを意図している事がうかがえます。

技術的な進歩

ジェーン・ディフェンス・ウィークリーによる報告では、アーシューラーはイランのミサイル技術において重要なマイルストーンを達成したとされています。このミサイルは、従来のシャハブシリーズが液体燃料を使用していたのに対し、初めて両方の段階において固体燃料を活用しています。この技術の革新により、発射準備に必要な時間が大幅に短縮され、敵に対する脅威が増していると言えます。

ジェーン・ディフェンス・ウィークリーは、パキスタンのシャーヒーン2との開発が平行して進められていた中で、伝えられている通り、これまでに知られる北朝鮮やインド、中国との技術協力は確認されていない、とも報じています。

アーシューラーはイランの防衛産業組織であるサナーム産業集団の一部、特にシャヒード・バーゲリー産業集団によって開発されました。この産業集団は、イランの防衛力を強化するための多様な技術を手掛けており、アーシューラーもその一環として重要な役割を果たしています。

結論

アーシューラーは、イランが直面する国際情勢の中で、独自の防衛能力を強化するための重要なミサイルシステムとして位置付けられています。その優れた射程能力と発射準備時間の短縮は、イランにとって戦略的な価値が高いものであり、地域の安全保障環境に影響を与える可能性があると考えられています。

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