アーセナル・スタジアム

アーセナル・スタジアム、通称ハイベリーは、1913年から2006年までイングランドのサッカークラブ、アーセナルFCの本拠地として使用された歴史的なスタジアムです。その所在地から「ハイベリー」という愛称で広く親しまれていました。

スタジアムの概要

ハイベリーの収容人数は38,500人と、当時のクラブの規模からすると手狭であり、それがクラブ運営上の制約となっていました。そのため、20世紀末頃から新スタジアム建設の議論が活発化しました。

ハイベリーではサッカーの試合だけでなく、1966年5月21日にはプロボクシング世界ヘビー級選手権試合、カシアス・クレイ対ヘンリー・クーパー戦も開催され、スポーツファンを熱狂させました。

2006年、アーセナルの新たな本拠地となるエミレーツ・スタジアムが近隣に完成し、2006-2007シーズンから使用が開始されました。UEFA主催の試合では、スポンサーシップの関係からエミレーツ・スタジアムがアーセナル・スタジアムと呼ばれることもありました。

ラストゲームとその後

2006年5月7日、アーセナルは長年使用してきたハイベリーに別れを告げました。ラストゲームはウィガン・アスレティックとのリーグ最終戦であり、4対2でアーセナルが勝利を飾りました。この試合では、ティエリ・アンリがハットトリックとなるPKを決め、ピッチにひざまずいて別れのキスをする感動的な場面もありました。

また、同日、ノースロンドンダービーのライバルであるトッテナム・ホットスパーがウェストハム・ユナイテッドに敗れたため、アーセナルは2006-2007シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ出場権を獲得。ハイベリーでの最後の試合を勝利で飾り、有終の美を飾ることができました。

スタジアム跡地の現在

スタジアム跡地は、旧スタジアムの外観を活かしたマンション「ハイベリー・スクウェア」として生まれ変わりました。スタジアムの面影を残しつつ、新たな住居として活用されています。また、対戦カードを示す案内板や、かつてジョージ・グラハム監督が使用していた机などはオークションに出品され、案内板が約100万円、机が約400万円という高値で落札されました。

入場者数

以下は、ハイベリーにおける近年の平均入場者数です。

2005-2006: 38,184人 (プレミアリーグ)
2004-2005: 37,979人 (プレミアリーグ)
2003-2004: 38,079人 (プレミアリーグ)
2002-2003: 38,042人 (プレミアリーグ)
2001-2002: 38,055人 (プレミアリーグ)
2000-2001: 37,974人 (プレミアリーグ)

ハイベリーは、アーセナルの歴史と多くのファンにとって特別な場所であり、その記憶は今も色褪せることなく、語り継がれています。

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