アートマス・ウォード

アートマス・ウォード（1727-1800）

アートマス・ウォードはアメリカ独立戦争の際に大陸軍の少将として知られ、その後マサチューセッツ州選出のアメリカ合衆国下院議員としても活躍した歴史的人物です。彼は特に軍人としてだけでなく、政治家としても評価されており、大統領ジョン・アダムズからも「軍隊と国家から尊敬や信頼を得た」と称されました。

生い立ちと初期のキャリア

ウォードは1727年11月26日、マサチューセッツ州シュルーズベリーに生まれ、父ネイハムと母マーサのもとで育ちました。7人兄弟の中で6番目の子供で、父親は多岐にわたる職業を持つ成功した人物でした。彼は公教育を受け、ハーバード大学では1748年に卒業し、しばらく教授としても教鞭を執りました。

1750年にはグロートンの牧師の娘サラ・トロウブリッジと結婚し、シュルーズベリーで雑貨屋を開店。その後、彼は判事補佐官や治安判事などの役職を経て、政治の世界に進出します。

フレンチ・インディアン戦争とその後

1755年、彼はウースター郡の民兵組織の少佐として任命され、続いて大佐に昇進しました。この期間中、ウォードは軍務と政治活動を両立させ、1758年のタイコンデロガ砦攻撃に参加。しかし、大敗を喫しつつも彼は生き延びることができました。

1762年に帰郷後、ウォードは郡裁判所判事に就任し、革命前夜には税務委員会の重要なメンバーとして活動。1774年には、第3連隊からの兵士たちに選ばれ、指揮を執ることになりました。

独立戦争と大陸軍

1775年4月、レキシントン・コンコードの戦いを経て、ボストンが襲われ、ウォードはボストン包囲戦を指揮することになりました。彼は当初、病床から軍を指揮しましたが、後にケンブリッジの作戦本部に移動。彼の指導の下、民兵たちは大陸軍へと組織化されました。

6月にはバンカーヒルの戦いが発生し、ウォードは防衛のための準備を整えましたが、弾薬不足に悩むこととなります。その後、大陸会議の決定で彼は少将に任命され、ジョージ・ワシントンに次ぐ指揮官となりました。

戦後の生活と政治活動

ウォードは戦後も政治に関与し、マサチューセッツ州の執行委員会議長を務めるなど、地域の重要な役割を果たしました。1779年から1785年にかけて州議会代議員として活動し、1780年と1781年には大陸会議に出席。1791年と1795年にわたりアメリカ合衆国下院議員として選出されました。

遺産と評価

彼の死後、ウォードの業績は後世にわたって称えられています。ワシントンD.C.には彼の銅像が立ち、アメリカン大学にはウォードの名前を冠した建物も存在します。また、彼の生家は博物館として保存されており、彼の業績を記憶する場となっています。

アートマス・ウォードは1800年10月28日にシュルーズベリーの自宅で亡くなり、彼の業績は今なお多くの人々に尊敬されています。

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