アードバーク (レーベル)

アードバーク（AARD-VARK）について



アードバークは、映像や音楽ソフトの制作を手掛けるポニーキャニオン（旧キャニオン・レコード）の社内レーベルとして1970年代に設立されました。このレーベルは特にキャニオン・レコードが直面していた経済的な挑戦を乗り越える手段として考案されました。設立当初から、大手の芸能事務所との強いつながりがなかったことや、音楽制作のスタッフの数が限られていたため、ヒット曲を次々と生み出すのは困難でした。

そのため、アードバークはエレックレコードと提携し、彼らの作品をシングルとしてリリースする契約を結ぶことで、音楽のラインナップを強化しました。そして、1972年5月5日にはレーベルの第1弾作品として佐藤公彦の「通りゃんせ」が発売され、以降も多くのアーティストの楽曲がこのレーベルから発表されました。

特に1972年にヤマハからリリースされたもとまろの「サルビアの花」が大ヒットし、これがキャニオン・レコードにとって重要な転機となりました。この成功によってアードバークはヤマハからの信頼を勝ち取り、結果的に1973年以降はヤマハ原盤のシングルやアルバムを数多くリリースすることに至りました。

1970年代後半から1980年代前半にかけて、アードバークから発表された数々の楽曲は、同社の業績向上に大きく貢献しました。しかし、2000年にヤマハが新たにヤマハミュージックコミュニケーションズを設立したことを機に、アードバークを冠した新譜が登場することはなくなりました。それ以降は、旧譜の再発時にのみこのレーベル名が使われるようになりました。

アードバークからリリースされた主なシングル



アードバークは基本的にキャニオン・レコード（ポニーキャニオン）に原盤権のないフォーク・ロック系の作品を主にリリースしていました。しかし、岡崎ひとみの「ひとこと言えば」や松山千春の「旅立ち」のように、実際には同社が原盤権を持つ曲もアードバークから発売されるということもありました。特にヤマハに所属していた小林千絵やチェッカーズは本レーベルを使用せず、CANYONから楽曲を発表していたため、その使い方には興味深い側面が見られました。

以下は、アードバークからリリースされた主なシングルの一部です：

アードバークはその豊富な歴史の中で多くの名曲を世に送り出し、日本の音楽シーンにおける重要な役割を果たしてきました。現在もその名は懐かしい作品たちと共に語り継がれています。

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