アーニー・バンクス

アーネスト・バンクスの野球人生

アーネスト・バンクス（Ernest Banks）は、1931年1月31日にテキサス州ダラスに生まれ、シカゴ・カブスに長年所属した元プロ野球選手です。彼は遊撃手および一塁手として活躍し、1977年にアメリカ野球殿堂入りを果たしました。そのキャリアの中で、彼は「Mr. Cub」と称され、カブスを象徴する選手として知られています。背番号「14」は永久欠番として、球団に深く刻まれています。

経歴の始まり

バンクスの野球への情熱は、少年時代に父とキャッチボールをしたことから始まりました。彼の父はニグロリーグでプレーしており、その影響を受けて彼も野球に目覚めます。しかし、バンクスが通った高校には野球部が無く、彼は代わりにバスケットボールや陸上競技に参加していました。その傍ら、綿摘み農場でアルバイトをしながら、プロの道を模索していました。

プロ入りとメジャーデビュー

17歳の時、バンクスはセミプロ球団アマリロ・コルツと契約し、1950年にはニグロリーグのカンザスシティ・モナークスに参加します。兵役に就いたためしばらく試合から離れましたが、1953年に復帰するとすぐに注目を浴びる成績を残しました。その年、彼は打率.386、20本塁打という成績を記録し、シカゴ・カブスと契約。9月17日には、カブス史上初の黒人選手としてメジャーデビューを果たしました。

彼のプロフェッショナルなキャリアは急速に展開し、1954年には遊撃手として固定され、全154試合に出場。打率は.275、19本塁打、79打点を記録します。特に1955年には44本のホームランを放ち、翌年には47本のホームランを打ち、打点王にも輝きました。1958年には最も優れた選手に選ばれ、MVPを受賞しています。

成功と挫折

バンクスは個々の成績において圧倒的な成功を収めましたが、同時にシカゴ・カブスが チームとしてメジャーリーグのワールドシリーズに進出できなかったことは、彼のキャリアにおける大きな挫折でした。この事実から「アーニー・バンクス症候群」と呼ばれる言葉が生まれ、チームの強化が彼の個人成績には反映されないという現実を表しています。しかし、その魅力的な人格や明るい性格から、彼は「ミスター・サンシャイン」とも称され、野球界に多大な影響を与えました。

引退後のキャリア

引退後もバンクスはシカゴ・カブスのコーチを務め、1982年には自身の背番号「14」が永久欠番に指定されるなど、カブスへの貢献は評価され続けました。彼はまた、1999年にはメジャーリーグベースボールのオールセンチュリー・チームにも選出されました。

2015年1月23日に83歳で亡くなった彼は、今日でも野球界で語り継がれる存在であり、多くの人々に感動を与えています。特に、シカゴ・カブスの アイデンティティを形成した彼の影響は、今もなお色褪せることはありません。バンクスの業績は、シカゴのスポーツ界においてマイケル・ジョーダンと並ぶ偉大な存在とされ、彼の名は野球史に永遠に刻まれることでしょう。

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