アーノルド技術開発センター

アーノルド技術開発センター（AEDC）について

アーノルド技術開発センター（Arnold Engineering Development Center, AEDC）は、アメリカ空軍が運営する主要な研究開発機関であり、テネシー州のアーノルド空軍基地内に所在しています。AEDCは、航空機、ミサイル、宇宙システムの試験と開発において、重要な役割を果たしています。

AEDCの任務

AEDCの主な任務は以下の通りです。

航空機、ミサイル、宇宙システムの試験と実験の実施。
試験技術の開発、試験装置の設計支援。
試験設備の近代化。

これらの任務を通じて、AEDCはアメリカの航空宇宙技術の進歩に貢献しています。

歴史

1951年に設立されたAEDCは、航空力学や推進風洞、ロケットおよびタービンエンジンの試験装置、宇宙環境模擬装置など、多岐にわたる特殊な設備を有しています。設立以来、アトラス、タイタン、ミニットマン、ピースキーパーといった大陸間弾道ミサイル（ICBM）の開発、さらにはマーキュリー計画、ジェミニ計画、アポロ計画、スペースシャトル、国際宇宙ステーションといった重要な宇宙プロジェクトを支援してきました。

また、AEDCの名前は「アメリカ空軍の父」と称されるヘンリー・アーノルドに由来しています。敷地内には、テネシー大学宇宙研究所（UTSI）も併設されています。

組織

AEDCは、以下の組織によって構成されています。

第704試験群 (704th Test Group)
第716試験隊 (716th Test Squadron): 航空力学に関するフライトシステムを担当。
第717試験隊 (717th Test Squadron): 推進システムを担当。
第718試験隊 (718th Test Squadron): 宇宙およびミサイル関連の試験を担当。
第704整備群 (704th Maintenance Group)
第704整備隊 (704th Maintenance Squadron)
第804整備隊 (804th Maintenance Squadron)
第704任務支援班 (704th Mission Support Group)
第704通信隊 (704th Communications Squadron)
第704建設隊 (704th Civil Engineering Squadron)
第704試験システム群 (704th Test Systems Group)
第650試験システム隊 (650th Test Systems Squadron)
第651試験システム隊 (651st Test Systems Squadron)

これらの組織が連携し、高度な試験と研究開発を支えています。

主要な設備

AEDCは、以下のような最先端の試験設備を保有しています。

超高速風洞9：かつてはAEDCにあったが、現在はメリーランド州スプリングフィールドに移設されています。
国立実物大航空力学施設 (NFAC)：元々NASAのエイムズリサーチセンターにありましたが、2006年2月にNASAとの合意により、AEDCが25年を上限として借り受けることになりました。

これらの設備は、航空宇宙技術の進歩に不可欠なものです。

関連人物

セオドア・フォン・カルマン：航空力学の分野で大きな貢献をした人物で、AEDCの活動にも影響を与えました。

結論

アーノルド技術開発センター（AEDC）は、アメリカ空軍の重要な研究開発機関として、航空宇宙技術の発展に大きく貢献しています。その歴史と組織、そして最先端の設備は、アメリカの航空宇宙分野における重要な基盤となっています。

外部リンク

Arnold Engineering Development Center (official)
Arnold Engineering Development Center at GlobalSecurity.org
University of Tennessee Space Institute

もう一度検索