アーリーン・ハウエル

アーリーン・ハウエル（Arlene Howell）は、1939年10月26日にアメリカ合衆国で生まれた元女優です。特に、1958年度のミスUSAタイトル保持者として広く知られています。

生い立ちと教育

彼女はルイジアナ州デリーの地で、E・M・ハウエル夫妻の間に誕生しました。1952年、一家は同じルイジアナ州内のボージャーシティへ転居し、そこで彼女は姉のマーヴィス、妹のマリリンと共に地元の学校に通いました。1957年にボージャーシティのボージャー高校を卒業した後、センテナリー・カレッジ・オブ・ルイジアナに進学。大学ではスピーチ学と演劇を専攻し、将来の女優活動に向けた基礎を築きました。

ミスコンテストから女優への転身

大学で演劇を学んだハウエルは、女優としてキャリアをスタートさせるための資金を得たいと考え、美人コンテストへの出場を決意しました。まず、州の大会であるミス・ルイジアナに出場し、見事栄冠を勝ち取ります。この勝利を受けて、1958年7月にカリフォルニア州ロングビーチで開催された全米大会、ミスUSAコンテストに進出。ここでも並み居る候補者の中からトップに選ばれ、1958年度のミスUSAとなりました。さらに同じ週、ロングビーチで行われた世界大会、ミス・ユニバース1958にもアメリカ代表として出場し、最終的に4位入賞という素晴らしい成績を収めました。
これらのコンテストでの成功が、彼女のその後の道を決定づけます。直後に、出生名である「Eurlyne Howell」から「Arlene Howell」へと名前の綴りを変更し、本格的に女優の道へ足を踏み入れました。

女優としてのキャリア

アーリーン・ハウエルのテレビドラマへの初出演は、ミスUSAに輝いた直後の1958年9月28日でした。人気西部劇シリーズ『マーベリック（Maverick）』のエピソード「Alias Bart Maverick」に登場し、これを皮切りに「シンディ・ルー・ブラウン」というキャラクターで複数のエピソードに準レギュラーとして出演しました（例：「Shady Deal at Sunny Acres」、「Passage to Fort Doom」）。
1959年には、ABCとワーナー・ブラザースが制作した探偵ドラマ『バーボン・ストリート（Bourbon Street Beat）』にレギュラーキャストとして参加します。この作品では、主人公の探偵事務所の秘書「メロディー・リー・マーサー」役を演じました。ドラマの舞台はルイジアナ州ニューオーリンズでしたが、実際の制作はカリフォルニア州ロサンゼルスで行われていました。当時のプロモーションでは、ハウエルが実際にルイジアナ出身であることが積極的にアピールされました。『バーボン・ストリート』は残念ながら1シーズンのみで終了しましたが、全39話のうち23話に彼女が出演しました。
『マーベリック』では、準レギュラー役以外にも、ジェームズ・ガーナーやエドガー・ブキャナンといったスターと共演したエピソード「Island in the Swamp」で「レディバード・フォージ」という異なる役を演じるなど、多様なキャラクターをこなしました。

彼女は『バーボン・ストリート』終了後も、多くの人気テレビシリーズにゲスト出演しています。主な出演作品には以下のようなものがあります。

『サンセット77（77 Sunset Strip）』エピソード「A Nice Social Evening」
『ブロンコ（Bronco）』エピソード「Prairie Skipper」
『Alcoa Premiere』エピソード「What Ever Happened to Miss Illinois?」
『おじさまはひとりもの（Bachelor Father）』エピソード「Ginger's Big Romanc」

そして、1966年に放送された人気コメディドラマ『マイペース二等兵（Gomer Pyle, U.S.M.C.）』の一エピソードに「フローラ」役で出演。このエピソードでは、主人公の友人であるカーター軍曹の初めてのデート相手を演じました。この『マイペース二等兵』への出演が、アーリーン・ハウエルの女優としての最後の仕事となりました。

私生活

女優引退後、彼女は公の場から遠ざかりました。私生活では、1959年8月にパイロットのポール・ラカヴァ氏と結婚しています。夫婦の間にはリサという一人娘が誕生しました。

アーリーン・ハウエルは、短期間ながらもミスUSAからテレビ女優へと華麗な転身を遂げ、1950年代後半から1960年代半ばにかけて、様々な人気ドラマでその姿を見せた人物です。

もう一度検索