イエスマン “YES”は人生のパスワード

『イエスマン “YES”は人生のパスワード』：人生を変える「イエス」の力

2008年、アメリカとイギリスで製作されたコメディ映画『イエスマン “YES”は人生のパスワード』（原題：Yes Man）は、ジム・キャリー主演による痛快な作品として知られています。監督はペイトン・リード、原作はダニー・ウォレスの同名回顧録です。2007年10月、ロサンゼルスでの撮影を経て、2009年3月に日本でも公開されました。

ストーリー：NOからYESへ、人生の転換点

主人公カール・アレンは、銀行員として働く傍ら、私生活でも仕事でも「NO」を連発する、極度のネガティブ思考の持ち主です。3年前の離婚の傷を引きずり、友人との交流も希薄、昇進の機会も逃しています。そんな彼の前に、人生を劇的に変えたという「イエスマン」のセミナーの案内が舞い込みます。

セミナーで出会った熱狂的な指導者テレンスの影響を受け、カールはあらゆる誘いや提案に「YES」と答えることを決意します。最初は戸惑いながらも、次第に「イエス」という肯定的な選択が、彼の生活に様々な変化をもたらしていく様子が描かれています。

ホームレスを助けたことから始まる予想外の出来事、職場での昇進、友人との和解など、ポジティブな変化が次々と訪れます。一方で、行き当たりばったりな「イエス」の連発が、時にトラブルを引き起こすことも。特に、ジョギングフォトインストラクターでバンド活動もするアリソンとの出会いと別れは、カールの成長を象徴する重要な出来事となっています。

アリソンとの出会いは、カールの人生に喜びと刺激を与えます。しかし、アリソンとの関係、そして周囲の人々との関係を通じて、カールは「イエス」と答えることの真の意味、そしてその責任について深く考えさせられます。

登場人物：個性豊かなキャラクターたち

物語を彩る個性豊かなキャラクターたちも魅力の一つです。ジム・キャリー演じる主人公カールは、ネガティブからポジティブへと変化していく姿がコミカルに表現されています。ズーイー・デシャネル演じるアリソンは、自由奔放で魅力的な女性として、カールの人生に大きな影響を与えます。その他、カールの職場の上司ノーマン、親友ピーター、そしてカールを「イエスマン」へと導いたニックなど、それぞれが物語に深みを与えています。

製作秘話：ジム・キャリーの熱演とこだわり

ジム・キャリーはこの映画において、出演料の前払いを辞退し、映画の総収入から一定の割合を受け取るという異例の契約を結びました。また、スタントにも自ら挑戦し、肋骨を骨折するアクシデントに見舞われたエピソードも有名です。さらに、韓国語の学習やギターの練習にも励むなど、役作りへの並々ならぬ情熱を注いでいます。

劇中でアリソンが所属するバンド「Munchausen by Proxy」の音楽は、サンフランシスコのガールズバンド、ヴォン・アイヴァが担当。映画のために書き下ろされたオリジナル楽曲が、作品の雰囲気を盛り上げています。

評価：賛否両論を巻き起こした作品

Rotten Tomatoesなどのレビューサイトでは、賛否両論が入り混じった評価となっています。コミカルな演出とジム・キャリーの演技は高く評価されている一方で、ストーリー展開やメッセージ性の部分については、意見が分かれるようです。

まとめ：笑いと感動、そして人生の教訓

『イエスマン “YES”は人生のパスワード』は、笑いと感動、そして人生の教訓を与えてくれる、忘れられない一本です。ジム・キャリーの熱演、個性豊かなキャラクター、そして軽快なテンポのストーリー展開は、多くの観客を魅了しています。人生における肯定的な選択の重要性、そして自分自身と向き合うことの大切さを改めて考えさせてくれる、そんな作品です。

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