イオンタウン千種

イオンタウン千種は、愛知県名古屋市千種区千種二丁目に位置する大型ショッピングセンターです。イオンタウン株式会社が管理・運営を手がけており、地域住民からは親しみを込めて「イオン千種」とも呼ばれています。名古屋市内の主要なイオングループ施設、すなわち東区のイオンモールナゴヤドーム前と熱田区のイオンモール熱田のほぼ中間に位置するという特徴的な立地を有しています。

この施設の開発は、都市再生機構中部支社と名古屋市が共同で進めていた、サッポロビール名古屋工場跡地を活用した「千種アーススクエア」プロジェクトの一環として行われました。その広大な跡地にイオン株式会社が出店を表明し、2005年 5月28日にグランドオープンを迎えました。

しかし、開業に至るまでには、地元商業者や経済団体から懸念の声も上がりました。当時、既に栄地区や大規模商業施設であるイオンモール熱田に近接していたことから、新たな大型店の進出が既存の商圏構造に影響を与え、イオンの商圏内での独占が進むのではないかとの議論や非難も一部で見られました。

イオンタウン千種は、環境への配慮という点でも注目されました。開業にあたり、イオンショッピングセンターとしては初の試みとなる「エコストア1号店」として位置づけられ、環境負荷低減のための様々な技術が導入されています。具体的には、太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギーの活用、建築物の一部壁面を緑化するバイオラングの設置などが行われました。館内には、環境に関する情報をタッチパネルで知ることができるエコインフォメーション端末も複数設置されるなど、来店客への啓発にも努めています。

建物は地上三階建て構造で、1階に位置するスーパーマーケット、マックスバリュグランド千種若宮大通店を核店舗としています。これに加え、多彩なジャンルの専門店約79店舗が集結しており、幅広いニーズに応える商業施設となっています。施設内の配置としては、マックスバリュグランド千種若宮大通店が建物の西側1階部分にあり、イオン専門店街はマックスバリュを挟んで建物のロータリー東側1階と、2階フロア全体に展開しています。3階および屋上部分は、立体駐車場として利用されており、自家用車でのアクセスにも対応しています。

施設の運営体制については、何度か変遷を経ています。開業当初はイオンリテール株式会社が運営を担っていましたが、2011年11月21日には運営会社がイオンタウン株式会社へと移管されました。これに伴い、施設名称も「イオン千種ショッピングセンター」から現在の「イオンタウン千種」へと正式に変更されています。その後、2017年11月には、一部専門店の入れ替えや内装の改装が行われるなど、施設のリニューアルも図られています。

核店舗であるマックスバリュに関しても、名称や運営会社の変更がありました。開業当初は「マックスバリュ千種若宮大通店」という名称でしたが、2011年7月に品揃えをより充実させた店舗形態を示す「マックスバリュグランド千種若宮大通店」としてリニューアルオープンしました。このマックスバリュの運営会社も、イオンから始まり、イオンリテール、マックスバリュ中京、マックスバリュ中部、そして現在のマックスバリュ東海へと、グループ内の組織再編に伴って変遷を重ねています。

イオンタウン千種への交通アクセスは多様です。自動車での来店者向けには、合計900台収容可能な駐車場があり、3時間まで無料、さらにWaonカードでの買い物によって1時間延長無料となるサービスを提供しています。公共交通機関を利用する場合、鉄道ではJR中央本線および名古屋市営地下鉄鶴舞線の鶴舞駅が最も近く、徒歩約10分程度でアクセスできます。また、JR中央本線および名古屋市営地下鉄東山線の千種駅からは徒歩約18分、名古屋市営地下鉄桜通線の吹上駅からは徒歩約12分です。路線バスでは、名古屋市営バスの「千早」バス停が施設の最寄りで、名古屋駅や栄、名古屋大学といった主要拠点からの系統が停車します。自転車利用者向けには、300台分の駐輪場も完備されています。

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