イギリス・バプテスト伝道会社

イギリス・バプテスト伝道会社（Baptist Missionary Society、BMS）は、イギリスのバプテスト派による海外宣教団体であり、現在は「BMS World Mission」として活動しています。

1792年、ウィリアム・ケアリーが、パティキュラー・バプテストの立場から独自の海外宣教の必要性を訴え、その結果、海外宣教団体が組織されました。これは、ロンドン宣教会に次ぐ大規模な組織へと発展しました。

BMSは、19世紀を通じて世界各地へ宣教師を派遣し、キリスト教の伝道と社会福祉活動を展開しました。1809年にはビルマ（現在のミャンマー）、1812年にはセイロン島（現在のスリランカ）、1813年には東インド、1845年には清国（現在の中国）、そして1878年には日本へと宣教師を派遣しています。その他、中南米やアフリカなど、世界各地に宣教師を送り出しました。

日本へは、1878年（明治11年）にW・J・ホワイトが派遣され、アメリカ・バプテスト宣教連合と協力して伝道活動を開始しました。ホワイトらの働きにより、本所浸礼教会（現在の日本バプテスト連盟に属する教会の一つ）が設立され、1887年には栃木教会も設立されました。これらの教会は、初期の日本のバプテスト教会の発展に大きく貢献しました。

しかし、1890年にBMSの本部がアフリカ伝道に注力するため、日本における宣教活動を打ち切る決定を下しました。その結果、日本における宣教事業はアメリカ・バプテスト宣教連合に委任されることとなりました。BMSの日本宣教は短期間に終わりましたが、日本のバプテスト教会史において重要な足跡を残しました。

BMSは、その後も世界各地で宣教活動を続け、教育、医療、貧困対策など、多岐にわたる分野で貢献しています。その活動は、単なる宗教的な伝道にとどまらず、地域社会の発展と人々の生活向上に寄与するものとして評価されています。

参考文献
* 『日本キリスト教歴史大事典』教文館、2003年

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