イギリス国立鉄道博物館とは？意味をやさしく解説

国立鉄道博物館（NRM）

国立鉄道博物館（National Railway Museum, NRM）は、イギリスのヨークに位置する鉄道博物館であり、鉄道車両や関連資料の収蔵規模は世界最大級を誇ります。日本の高速鉄道、特に0系新幹線の展示があることでも知られています。

概要

現在の国立鉄道博物館は、1975年に開館しました。これは、かつてクラパムにあったイギリス鉄道博物館と、ヨーク市内の別の場所にあったヨーク鉄道美術館のコレクションを引き継いだものです。博物館はヨーク駅に隣接する3つの車両庫を展示ホールとして利用しており、100両を超える機関車や約200両の客車・貨車、そして数十万点に及ぶ鉄道関連アイテムが収蔵されています。

世界最大級の鉄道博物館として知られ、王室専用客車（ロイヤル・トレイン）などの常設展示があり、年間75万人もの来場者があります。入場は無料ですが、有料パンフレットも販売されています。

2004年には、ダラムのシルドンに国立鉄道博物館の分館としてシルドン機関車博物館が開設されました。また、2012年 12月19日には、さいたま市大宮区にある鉄道博物館と姉妹館提携を結び、2016年 4月28日には京都鉄道博物館との姉妹提携継続調印式が行われました。

展示

博物館は大きく分けて、ステーション・ホール、グレート・ホール、ザ・ワークス、サウス・ヤードの4つのエリアに分かれています。

ステーション・ホール（Station Hall）

ここでは、かつてイギリスの鉄道で使用されていた車両が多数展示されています。イギリスの鉄道史を語る上で欠かせない車両を間近に見ることができます。

グレート・ホール（Great Hall）

グレート・ホールには、西日本旅客鉄道（JR西日本）から2001年に寄贈された0系新幹線が展示されています。車内では新幹線を紹介するビデオが放映されており、日本の高速鉄道技術の原点に触れることができます。また、時速126マイル（202.4キロ）の世界記録を樹立した蒸気機関車マラード号や、イギリスで製造された後、中華民国に輸出され、1981年に中華人民共和国政府から寄贈された蒸気機関車KF7形も展示されています。

ザ・ワークス（The Works）

ザ・ワークスは、修繕庫と展示室で構成されています。ウェアーハウスという展示室では、プレート、サボ、機器類といった鉄道関連の小物類が展示されています。また、ヨーク駅を発着する列車を眺められるバルコニーもあります。

サウス・ヤード（South Yard）

サウス・ヤードでは、ヨーク大聖堂から美術館までの約20分の距離を結ぶミニ鉄道「ロードトレイン」が運行されています。かつては「ヨークシャーホイール」という観覧車も運営されていましたが、2008年に営業を終了しました。

アクセス

国立鉄道博物館は、ヨーク駅からすぐの場所に位置しています。

イギリス国立鉄道博物館