イギリス国鉄2形2-6-0蒸気機関車

イギリス国鉄2形2-6-0蒸気機関車概要

イギリス国鉄2形2-6-0蒸気機関車は、1950年代に製造され、イギリス国鉄が定めた標準設計の中でも最も小型の蒸気機関車です。合計65両が製造され、そのデザインはLMSの2形2-6-0蒸気機関車を基にしています。愛称として「ミッキーマウス」が付けられたこの機関車は、その独特な外観からも多くの人に親しまれています。

機関車の特徴

この機関車には、数種類の2-6-0機関車が含まれており、それぞれのモデルは規格や運行する路線に応じて異なる特徴を持っています。本機は客貨両用として設計されており、特に長距離支線での運行を想定して作られました。ダーリントン工場において、最後の78064号機が1956年に完成するまで、65両が製造されました。

機関車は、LMSの2形2-6-0蒸気機関車と類似したデザインであり、低いランニングプレートが特徴的です。BR3タイプの3,000ガロンの炭水車が付けられており、軸重はわずか13.75トンと非常に軽いため、規格が貧弱な路線でも運用が可能でした。具体的には、ウェールズを横断するシュールズベリー～アベリストウィス路線や、ミッドランド地方とイーストアングリアを結ぶ複数のクロスカントリー線などで使用されました。

評判と使用状況

乗組員からの評判は概ね良好で、多くはこの機関車の安定性を評価していますが、蒸気の上りが悪いとの不満もありました。また、キャブレイアウトに関する設計には改善の余地があるとの指摘もありましたが、そのデザインはLMSから継承された縮小された形態でした。

旧ランカシャー&ヨークシャー鉄道の機関区に配置された本形式は、各駅停車や急行列車の運行に利用され、特にバンク・ホールとウィガンの機関区での活躍が目立ちました。これらの機関区では、さまざまな駅への運行や貨物専用列車に従事し、1960年代半ばまでその運用が続けられました。

特異な運命

1955年、78018号機はカークビースティーブンから出発した貨物列車で、Stainmore Summit近くで立ち往生するという事故が発生しました。この地点は1962年までイギリスの鉄道路線の中で最高点として知られていました。参加した乗務員は、極寒の気象条件の中での救助作業を強いられ、彼らが行った作業は非常に困難でした。蒸気機関車が雪に埋もれた際には、ボイラーの熱によって雪が溶けてしまう問題もあり、地道な努力が必要とされました。

保存状況

現在、イギリス国鉄2形2-6-0蒸気機関車は4両が保存されていますが、そのうちの1両（78059）はイギリス国鉄2形2-6-2T蒸気機関車に改造される予定です。保存活動は熱心に行われており、鉄道ファンからも注目されています。

このように、イギリス国鉄2形2-6-0蒸気機関車はそのデザインと機能の両面において、イギリスの鉄道史において重要な位置を占めているのです。

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