イギリス国鉄3形2-6-0蒸気機関車

イギリス国鉄3形2-6-0蒸気機関車

イギリス国鉄3形2-6-0蒸気機関車は、イギリス国鉄によって製造された客貨両用の蒸気機関車であり、その設計はロバート・リドルズによるものです。この機関車は、イギリス国鉄の3形2-6-2T蒸気機関車のテンダー機関車バージョンとして開発され、イギリス国内のほぼすべての本線や支線での運行を前提として設計されています。シャーシはLMS 4形蒸気機関車を元にして作られており、設備はグレート・ウェスタン鉄道の5101形および5600形蒸気機関車に見られるGWR No.2ボイラーの改良型を装備しています。

設計と製造

この機関車の設計と製造は、旧GWRスウィンドン工場で行われ、その他の工場としてブライトン、ダービー、ドンカスターも関与しました。イギリス国鉄3形2-6-2T蒸気機関車は1952年4月に導入され、その後に本形式が1954年2月に完成しました。3形2-6-2T蒸気機関車は45両が製造される一方、本形式はわずか20両のみの生産に留まり、さらに5台の製造計画はキャンセルされてしまいました。ボイラーはGWR No.2ボイラーとボイラーのフランジプレートを共有していますが、バレルの長さが短縮されており、新たにドームも設けられています。

興味深いことに、イギリス国鉄4形2-6-0蒸気機関車（76XXX）とは動輪のデザインが異なります。LMSの4形蒸気機関車と同様の部品が多数使用されているにもかかわらず、特に排気蒸気マニホールドの設計には独自の特徴があります。これらは、製造時に鋳鋼でサドルに溶接されたものではなく、鋼製のものが採用されています。また、BR規格の一部と共通のシリンダーカバーには「ねじ込み」タイプの圧力リリーフバルブが初めて設置され、その後1955年9月以降には「ボルトオン」タイプが導入されました。

運用

スウィンドン工場で製造されたイギリス国鉄3形2-6-0蒸気機関車は、77000から77019までの番号を付けて運用されました。主にイギリス国鉄の北東部やスコットランドで活動していましたが、例外的に77014号は南部地域でも稼働していました。この77014号は、1966年3月にロンドンミッドランド地域のノースウィッチ機関区からギルフォード機関区に移動され、1967年7月に廃車されるまで、南部での運用が続きました。実際、彼女は南部地域における最後の蒸気機関車となりました。

この機関車の少ない製造台数から、標準形の機関車とは異なる特異性があり、イギリス国鉄4形2-6-0蒸気機関車や2形2-6-0蒸気機関車と比較されることが多くあります。製造された何両かはイギリス国鉄3形2-6-2T蒸気機関車の新製プロジェクトに転用されるためにスクラップから復帰しようとしましたが、結局は保存に至ることはありませんでした。

出典

1. ABC of British Railways Locomotives. Part 3 (Winter 1962 ed.). Ian Allan.
2. Bradley, Rodger P. (1984). The Standard Steam Locomotives of British Railways.
3. Teal, Paul (1985). BR Motive Power Allocations 1959-1968 - 1: BR Standards & Austerities.
4. Walford, John (2003). A Detailed History of British Railways Standard Steam Locomotives.

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