イギリス領南極地域の旗

イギリス領南極地域の旗は、1963年に制定されました。これは、1962年3月3日に南極大陸とその周辺を領域とするイギリスの海外領土・イギリス領南極地域が成立した翌年のことです。それ以前は、南極はフォークランド諸島の一部として扱われ、フォークランド諸島の旗が使用されていました。

ただし、1959年に署名された南極条約によって、イギリスの領土主権の行使と請求権は凍結されています。

デザイン

この旗は、イギリス海軍軍艦旗であるホワイト・エンサインを基にしています。旗の左上部分（カントン）にはユニオンジャックが配置され、右側の白い部分の中央には、イギリス領南極地域の紋章が描かれています。

紋章は、中央に発見を象徴するトーチが光を放つ様子が描かれています。背景は白地に青い波模様で、これは氷の海を表しています。盾は、イギリスを象徴するライオンと南極を象徴するペンギンによって支えられています。紋章の上部には、ロバート・スコットやアーネスト・シャクルトンらが参加した1901年から1904年の「第1回南極探検（ディスカバリー号探検）」で使用された調査船・RSSディスカバリーが描かれています。

使用場所

この旗は、英国南極調査所（British Antarctic Survey）の本部や各地の事務所、南極の当該領域内のイギリス観測施設などに掲揚されています。英国南極調査所の船舶は、イギリス政府船舶旗であるブルー・エンサインに、紋章のうちシールド部分のみを配した旗を使用しています。

イギリス領南極地域の弁務官は、他のイギリス海外領土の総督旗と同様に、ユニオンジャックの中央に紋章を配置した旗を使用しています。

まとめ

イギリス領南極地域の旗は、イギリスの南極に対する関与と探求の歴史を象徴する旗です。南極条約によって領土主権は凍結されていますが、旗のデザインには、イギリスと南極を象徴する要素が組み込まれています。

この旗は、英国南極調査所などの施設で掲揚され、イギリスの南極における活動を視覚的に表現する役割を果たしています。

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