イクサガミ

イクサガミ

『イクサガミ』は、今村翔吾氏による講談社文庫書き下ろしの長編時代小説です。剣術、アクション、そして時代劇の要素が融合したエンターテイメント作品として、幅広い読者を魅了しています。

概要

今村翔吾氏の人気シリーズであり、書籍発売前に『小説現代』で先行公開されました。講談社文庫から『天・地・人・神』の四部作で完結しています。カバーイラストは人気漫画家の石田スイ氏が手掛けています。

山田風太郎作品を意識したという今村氏の言葉通り、本作には最古剣術『京八流』の奥義や、迫力満点のアクションシーンなど、読者を飽きさせない要素が満載です。

オーディオブック化もされており、さらに『モーニング』（講談社）にて立沢克美氏作画によるコミカライズ版が連載中です。

『イクサガミ天』は、「時代小説SHOW」2022年時代小説ベスト10 文庫書き下ろし部門で第一位を獲得、「読書メーター OF THE YEAR 2022」でも第二位にランクインするなど、高い評価を受けています。

あらすじ

舞台は明治時代の日本。明治11年2月、京都・天龍寺に292人の腕自慢が集められます。彼らを呼んだのは、「大金を得る機会を与える」と書かれた怪文書。参加者たちは、七つの掟が課せられた奇妙な「遊び」に参加することになります。

それは、点数を集めながら東海道を辿って東京を目指すというもの。参加者には点数となる木札が配られ、点数を稼ぐ方法はただ一つ、相手から札を奪うこと。大金を必要とする剣客・嵯峨愁二郎は、十二歳の少女・双葉と共に、数々の強敵が待ち受ける道を進んでいきます。金か、命か、誇りか。滅びゆく侍たちの死闘が、今、幕を開けます。

主な登場人物

嵯峨 愁二郎（さが しゅうじろう）
主人公。京八流の後継者の一人。
香月 双葉（かつき ふたば）
愁二郎と旅をする少女。天道流の剣術を心得ています。
柘植 響陣（つげ きょうじん）
元伊賀同心。暗器の使い手。
化野 四蔵（あだしの しくら）
愁二郎の兄弟子。京八流の後継者の一人。
衣笠 彩八（きぬがさ いろは）
愁二郎の兄弟子。京八流の後継者の一人。
カムイコチャ
アイヌの民。「神の子」という意味を持つ通り名。
菊臣 右京（きくおみ うきょう）
花山院家に伝わる太刀の秘伝を習得している。

書誌情報

小説
今村翔吾 『イクサガミ』 講談社〈講談社文庫〉
天：2022年2月15日発売、ISBN 978-4-06-526986-2
地：2023年5月16日発売、ISBN 978-4-06-528012-6
人：2024年11月15日発売、ISBN 978-4-06-531163-9
漫画
今村翔吾（原作） / 立沢 克美（作画）『イクサガミ』講談社〈モーニングKC〉、既刊4巻（2024年5月22日現在）
2023年4月21日発売、ISBN 978-4-06-531334-3
2023年7月21日発売、ISBN 978-4-06-532393-9
2023年12月21日発売、ISBN 978-4-06-534013-4
2024年5月22日発売、ISBN 978-4-06-535583-1

Webドラマ

Netflixにてドラマ化され2025年11月から配信予定。主演は岡田准一。

『京八流』について

本作に登場する『京八流』は、源平時代にまで遡るとされる最古の剣術流派。八つの奥義が存在し、継承者たちはその奥義を巡って争います。逃亡者には始末人が差し向けられるなど、厳しい掟も存在します。

蠱毒（こどく）について

作中に登場する「コドク」とは、大陸の呪術のことであり、百の虫を壺に入れて共食いをさせ、最後に残ったものを祀ることで富貴を得られるとされています。

外部リンク

今村翔吾「イクサガミ」特設サイト
モーニング公式サイト「イクサガミ」
* イクサガミ - Netflix

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