イサベル2世 (スペイン女王)

イサベル2世の生涯

生い立ち

イサベル2世は1830年10月10日にスペイン王フェルナンド7世の娘としてマドリードで生まれました。彼女の母はハプスブルク＝ロートリンゲン家の出身であり、イサベルは王家の血統を引いていました。

即位と初期の政局

1833年9月29日、父フェルナンド7世の死去により、イサベルは3歳でスペインの女王として即位します。母マリア・クリスティーナが摂政として彼女の治世を支えることとなりました。しかし、当時の王位継承については複雑な背景があり、女系継承を禁じたサリカ法が問題となりました。フェルナンド7世は1830年にこの法を廃止し、イサベルの王位継承を可能にしました。一方で、ポルトガルに追放されていた兄弟カルロスは、サリカ法に基づいて王位を主張し、内戦を引き起こしました。

この戦争は第一次カルリスタ戦争として知られ、議会と主要政治勢力はイサベルを支持するに至ります。7年間の激闘の結果、1839年に一時的に休戦となり、イサベルの王位が確定します。その後、彼女の母は1840年に摂政を辞任します。

政治と結婚

イサベルは1843年から1868年まで親政を行いましたが、彼女の治世中には多くの政変がありました。1846年に、イサベルはカディス公フランシスコ・デ・アシスと結婚します。これは重要な政治的結びつきを意図したものでしたが、彼女の夫に関する不名誉な噂が立ち、結婚生活は幸せとは言えませんでした。

親政と対立

治世中、イサベルは様々な政党や軍との対立に悩まされました。モデラト党が支配していた時代から、進歩党との権力の交代があったほか、彼女自身が政治に介入することでその人気は次第に低下していきました。また、メキシコ帝国の復興を試みたことや、モロッコ戦争での勝利などもありましたが、外交面での失敗も多く、国民の不満が高まったことは否めません。

亡命と退位

1868年には、フランシスコ・セラーノ将軍とフアン・プリム将軍による反乱が起こり、イサベルは国を追われ、フランスに亡命します。その後、彼女は1870年に王太子アルフォンソに王位を譲る意向を示しましたが、具体的な継承問題が続き、混乱が続いた結果、プロイセンとの対立につながることになります。

イサベル2世は晩年もフランスに住み続け、1904年4月9日に世を去ります。彼女は12人の子供をもうけましたが、成人したのは4人のみでした。

まとめ

イサベル2世は、スペインの歴史において重要な役割を果たし、多くの困難や混乱の中でその地位を確立していった女王です。彼女の治世は政治的な波乱だけでなく、その私生活の面でも多くの課題を抱えていました。

もう一度検索