フアン・プリム

フアン・プリム: 軍人兼政治家

フアン・プリム（Juan Prim y Prats、1814年12月12日 - 1870年12月30日）は、19世紀のスペインにおいて際立った軍人及び政治家として知られています。彼はカスティジェホス侯爵、レウス伯爵、そしてブルク子爵の称号を持つ著名な人物です。

彼は1834年、19歳のときに民兵隊に入隊し、その後イサベル2世の支援のもとで第一次カルリスタ戦争に参加しました。この戦争において、特にソルソナでの戦闘での貢献によって、26歳で大佐に昇任し、サンフェルナンド軍事勲章を授与されました。

1839年、内乱はベルガーラ協定によって収束し、イサベル2世のもとで摂政政治が始まりました。プリムは1841年にタラゴナ県の副議長として議席を得ると、自由貿易や旧体制の廃止を推進する政権に対して懸念を抱くようになります。彼はカタルーニャの繊維産業の衰退を嘆き、保護貿易の必要性を主張しました。

1842年には、バルセロナにおける政府の施策に抗議し、パリへ向かい、追放された旧摂政のマリア・クリスティーナ夫妻に助けを求めました。1843年、プリムは軍人の友人であるロレンツォ・ミランズと共にバルセロナに赴き、反政府活動を始めます。その後、彼はスペインに戻り、1844年にはイサベル2世が親政を開始した際に、少将としての地位を獲得しました。

しかし、彼の政治的活動は波乱に満ちており、首相のラモン・ナルバエスによってフィリピン群島への6年間の流刑を宣告されます。この命令は実行されることはありませんでしたが、プリムは1847年までイギリスとフランスに亡命することとなります。帰国後、彼はプエルトリコの知事に任命され、クリミア戦争では軍事的代表としてスルターンとの交渉を行いました。

1854年にコルテスの議員となり、1856年には陸軍中将に昇任したレオポルド・オドンネル将軍を支持しました。スペイン・モロッコ戦争において数々の戦闘で功績を挙げ、カスティジェホス侯爵の称号を得ました。

ナポレオン3世の野望に反対する姿勢を示したプリムは、メキシコにおいてスペイン軍を指揮しました。帰国後のカタルーニャでは、反体制派として活動を続けましたが、その試みは全て失敗に終わります。その後、イサベル2世が体制を専制化し、友人のフランシスコ・セラーノも亡命することに。

1868年、セラーノと共に帰国したプリムは、カディスにおいて反乱を起こします。国事においての彼の活動は、その後も続き、1869年7月にはセラーノが摂政となり、プリムも議長及び陸軍元帥に就任しました。

1870年、アマデオ1世がスペイン王に選出されると、プリムはその策定過程に深く関与しました。しかし、彼の政治人生は悲劇的な結末を迎えます。12月28日、コルテス内の私室にいた彼は不明の暗殺者によって銃撃され、数日後の12月30日に死亡しました。彼の亡骸の葬送は国の大きな関心を集め、コルテスは遺児たちの後見人となることを決定しました。その後、アマデオ1世は新しい憲法の制定を誓約し、スペインの歴史の中で重要な転換点を示すこととなりました。

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