イザベル・ダラゴン

イザベル・ダラゴン（1248年 - 1271年1月28日）は、アラゴン王ハイメ1世と、その2番目の妃であるハンガリー王アンドラーシュ2世の娘ビオランテの間に生まれました。彼女はフランス王フィリップ3世の王妃として歴史に名を残しています。

1262年、イザベルはクレルモン（現在のクレルモン＝フェラン）で、当時ルイ9世の王太子であったフィリップと結婚しました。この結婚は、アラゴン王国とフランス王国の関係を強化する意味合いを持っていました。彼女とフィリップの間には、以下に示す4人の息子が生まれました（他に1人の男子を死産）。

ルイ（1265年 - 1276年）
フィリップ4世（1268年 - 1314年） - フランス王
ロベール（1269年 - 1271年）
シャルル（1270年 - 1325年） - ヴァロワ伯、ヴァロワ家の祖
男子（1271年、死産）

1270年に夫フィリップがフランス王として即位したことで、イザベルは王妃となりました。しかし、彼女の王妃としての期間は非常に短いものでした。1271年、第8回十字軍からの帰還途中、イタリアのコゼンツァで落馬事故に遭い、5人目の子を死産しました。その直後、イザベル自身も死去しました。彼女は同年8月に行われる予定であった戴冠式に出席することはありませんでした。イザベルの遺体は、サン＝ドニ大聖堂に埋葬されました。

彼女の息子であるフィリップ4世は、後にフランス王となり、フランスの歴史において重要な役割を果たしました。また、シャルルはヴァロワ伯となり、ヴァロワ家の祖となりました。このように、イザベルの血筋はフランス王室に大きな影響を与え、後のフランスの歴史を形作る一因となりました。

イザベル・ダラゴンの生涯は、短いながらもフランス王室に貢献し、その子孫を通じてフランスの歴史に深く刻まれています。

参考文献
佐藤賢一 『カペー朝 フランス王朝史1』 講談社現代新書、2009年

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