イシュトヴァーン4世 (ハンガリー王)

イシュトヴァーン4世の生涯

イシュトヴァーン4世（IV. István、1133年頃 - 1165年4月11日）は、ハンガリー王国アールパード朝の王であり、クロアチアの国王でもありました。彼は父ベーラ2世の三男として生まれ、兄ゲーザ2世の治世において、権力奪取を目指して陰謀を巡らしましたが、失敗に終わったため、1157年にハンガリーを脱出しました。まず神聖ローマ帝国に亡命しようとしましたが、その期待は裏切られ、後にビザンツ帝国に行き着きました。ここでビザンツ皇帝マヌエル1世コムネノスの姪、マリアと結婚し、東方正教に改宗しました。

政治的抗争と王位奪還の試み

1162年5月31日、兄ゲーザ2世の死後、イシュトヴァーンは甥の若イシュトヴァーンに対して権力を掌握しようとします。マヌエル1世はイシュトヴァーンの反乱を支援しましたが、ハンガリーの貴族は彼よりも別の兄弟であるラースローを選びました。1163年1月14日にラースロー2世が死亡後、イシュトヴァーンは新たに王位に就くが、彼の即位式はエステルゴム大司教ルカーチによって拒否され、破門されてしまいます。

戦争と敗北

若イシュトヴァーンは軍隊を召集し、イシュトヴァーンとの激しい対立が勃発しました。1163年6月19日、セーケシュフェヘールヴァールで決戦が行われ、イシュトヴァーンは敗北。彼は再び国を脱出せざるを得なくなります。その後、再度王位奪還を目論み、マヌエル1世とフリードリヒ1世からの援助を期待しましたが、彼らはイシュトヴァーンを見捨て、最終的にはシルミウムでしか生活できなくなりました。

暗殺と死

1165年、若イシュトヴァーンの支持者によってイシュトヴァーン4世は毒殺されました。彼の死と同時に彼を支持していた貴族たちも彼を見捨て、イシュトヴァーンの亡き後、彼の遺体は無惨にも都市の門前に打ち捨てられました。しかし、後に遺体はセーケシュフヘールヴァールのバシリカに移されました。

家庭

イシュトヴァーン4世の妻、マリアはビザンツ皇帝マヌエル1世の兄の娘であり、間に子どもが生まれた記録は残されていません。

最後に

イシュトヴァーン4世は、ハンガリーの歴史において波乱に満ちた人物であり、王位を巡る権力争いに翻弄されました。彼の一生は、権力、陰謀、裏切り、そして最終的な悲劇を描いたものとして後世に伝わっています。特に、彼の急転直下の運命は、壮大な中世の政争の一端を物語っています。

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