イスラエル・ウェポン・インダストリーズ

イスラエル・ウェポン・インダストリーズ（IWI）は、イスラエル・ミリタリー・インダストリーズのマーゲン地区部門を前身とする、イスラエルの主要な銃器メーカーです。

1993年に設立され、当初はイスラエルが所有していましたが、2005年に小火器部門が民営化された際に現在のIWIに改名されました。同社は、世界的に見ても最高峰のメーカーとしての知名度と軍用火器のシェアを誇ります。1950年代には、UZIサブマシンガンを1000万丁以上販売し、莫大な利益を上げました。この成功により、マーゲン部門は世界中にその名を知られるようになりました。

IWIは、ネゲヴ軽機関銃、ガリル突撃銃、タボール突撃銃、DAN .338狙撃銃など、軍への納入実績で広く知られています。これらの銃器は、世界中の軍隊や法執行機関で採用されており、IWIの製品の品質と信頼性の高さを証明しています。

製造拠点

IWIは、主要な製造拠点としてラマト・ハシャロンの工場を長年運営してきました。この工場は、IWIの前身であるイスラエル・ミリタリー・インダストリーズのマーゲン部門時代から存在し、地域にとって重要な工業施設とみなされてきました。しかし、2017年にIWIはキルヤット・ガトに新しい工場を建設し、2020年までに生産拠点を移転することを発表しました。この新しい工場には1.8億NISが投資され、560名のフルタイム労働者と技術者が雇用される予定です。

海外展開

IWIは、海外市場への供給を強化するため、インドにPunj Lloydとの共同生産工場を設立しました。この工場は、インド初の民間小火器製造プラントとなる見込みで、IWIが49%、Punj Lloydが51%を所有しています。インド軍向けの火器製造を主な目的としており、IWIは2017年の声明で、インド軍からの2億～3億ドルの入札を見込んでいると述べています。

主要製品

IWIは、UZI、ジェリコ、バラク、ネゲヴ、ガリル、タボールなど、多様な銃器を製造しています。

UZI: イスラエルを代表するサブマシンガン。
ジェリコ941: 自動拳銃。
ネゲヴ: IWIの主要な軽機関銃。
ガリル: コンパクトな突撃銃。
* タボール: ブルパップ方式を採用した突撃銃。

また、1980年代には、アメリカの銃器設計企業との間で、マグナム弾(.44 マグナム、 .357 マグナム、.50 AE)に対応する自動拳銃の再設計と製造に関する契約を結びました。この契約から生まれたのが、有名なデザートイーグルです。

DAN .338 狙撃銃

2014年、IWIはIWI DAN .338狙撃銃を発表しました。この狙撃銃は、軽量かつ携行性に優れるように設計されています。筐体にはアルミ合金が使用され、737mmの深溝フルート加工が施されたフリーフローティングバレルを備えています。マガジン、弾薬、スコープを含まない重量は6.9kgです。ボルトアクション方式を採用し、.338ラプア・マグナム弾に対応、1200mの有効射程とサブMOA精度を実現しています。

2014年には、IWIのDAN .338 狙撃銃がイギリス陸軍の特殊部隊SASの新狙撃銃として採用されました。SASは、この狙撃銃をシリアやイラクでのISIS指揮官掃討作戦で使用しています。

警備訓練

IWIは、資産や重要人物の保護を目的とした警備訓練や対テロ訓練を、イスラエル国内外の企業や個人向けに提供しています。さらに、ニューヨーク市のニューヨークメトロポリタンカレッジ(MCNY)と提携し、行政機関、危機管理、国土安全保障に関する修士課程教育も行っています。

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