イスラム集団

イスラム集団（ガマーア・イスラーミーヤ）について

イスラム集団、またはガマーア・イスラーミーヤは、エジプトにおける重要なイスラム主義組織です。略称はGIまたはIGで、設立以来、エジプトの社会と政治に大きな影響を与えてきました。現在の最高指導者はアースィム・アブドルマーギド氏です。

結成と歴史的背景

イスラム集団は1970年代に、ムスリム同胞団の穏健な路線に不満を持つ若者たちによって設立されました。創設者の一人であるナージフ・イブラーヒームは、当時の大学生の中で急速に支持を広げ、集団の活動は大学キャンパスを中心に展開されました。左翼勢力が優勢であったエジプトの学生運動において、彼らの存在は希少なものでした。

1973年には、エジプト政府による戦略的な方針に対して反発する中で、イスラム集団は影響力を強め、全国の学生連合選挙で三分の一以上の得票を獲得しました。この成功を背景に、彼らはイスラムの価値観を広めるためのキャンペーンを始め、男女別学やヒジャブの着用を推奨しました。

1980年代にはオマル・アブドッラフマーンが指導者として活動を展開し、組織とジハード団との結びつきを強めました。この時期から、彼らは過激な武装闘争を展開し、特に1990年代に入ってからはエジプト国内の観光客を狙ったテロ事件が多発しました。1997年のルクソール事件では、58人の外国人観光客が殺害され、国際的にも大きな非難を受けました。

組織の分派と現在の動向

ルクソール事件の影響により、イスラム集団は内部分裂を経験しました。穏健派は武装闘争の中止を宣言し、過去の行動について反省を示しました。一方で強硬派は依然として過激な行動を続け、他の国際的な過激派と連携を深めていきました。

2011年には新たに「建設発展党」を設立し、政治活動へと舵を切る動きも見せています。

信条と思想

イスラム集団のメンバーが持つ信条は限られた情報しか公にされていませんが、いくつかの重要な考え方が存在します。彼らはまず、イスラムが全ての社会制度を規制すべきであると考えています。また、1967年のエジプトの敗北を、イスラムの教えを無視した結果として捉え、これを教訓としているのです。

イスラム集団は、急進的な宗教理論家サイイド・クトゥブに言及することが多く、彼の思想を基にした政策を提唱しています。彼らは立法権が神に帰属するものであり、世俗的な考え方からの解放が必要だと主張しています。さらに、エジプトの貧困問題は精神的な堕落が原因であるとし、初期のムスリムの生活様式への回帰を提唱しています。

結論

イスラム集団は、その設立以来、エジプト社会に深刻な影響を与えてきました。過激な行動から穏健な路線への転換といった内部の変化と、時代の流れの中での活動の変化が見られます。今後も彼らの動向は、エジプトだけでなく中東全体におけるイスラム主義の潮流において重要な位置を占めるでしょう。

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