イソヒヨドリ

イソヒヨドリについて

イソヒヨドリ（磯鵯、学名：Monticola solitarius）は、スズメ目ヒタキ科に属する鳥です。この鳥はアフリカ、ユーラシア大陸、インドネシア、ニューギニアなど、広範囲にわたって分布しています。その名の通り、海岸や岩山などの磯に多く見られ、日本では静岡県伊東市や三重県伊勢市でも市の鳥として親しまれています。

分布と生息地

イソヒヨドリは世界的には標高2,000から4,000メートルの高山の岩石地帯に生息していますが、日本では1980年代から内陸部でも繁殖が確認され、2000年代には大都市圏でもその姿を見ることができるようになりました。特に関東や近畿地方では、電線や看板に止まっていたり、住宅地やビルの間を飛びまわる姿が珍しくなくなりました。

外観と特徴

体長は約23cmとヒヨドリよりやや小さ目で、亜種によって体色に違いがあります。日本に生息する亜種「イソヒヨドリ M. s. philippensis」のオスは、頭部から背中にかけて暗青色の羽毛を持ち、胸から腹は赤褐色です。メスは全体的にうずら模様の茶褐色で、薄い水色が混ざっています。特に若鳥のオスはメスに似た色合いを持っているため、区別が難しいことがありますが、繁殖期が近づくとオスの腹部が徐々に赤褐色に変わります。

生態と行動

イソヒヨドリは主に地上で生活し、肉食性で甲殻類や昆虫、トカゲなどを捕食します。また、人間の食べ残しも荒らすことがあるため、カラスやスズメが存在しない場所では家庭周辺でゴミを漁る姿が観察されることもあります。イソヒヨドリは単独で行動することが多く、繁殖期にはカエルのような音（「ケケケケケ」）を発することで知られています。

繁殖期

繁殖は地域によって異なるものの、本州では5月初旬に行われます。巣は通常岩の隙間や都市部ではビルの屋上や通風口などに作ります。巣は乾燥した草などで作られ、通常5から6個の卵を産みます。雛は約2週間後に巣立ち、その間は雄が食糧を運びます。

亜種

イソヒヨドリにはいくつかの亜種が存在し、南西諸島に稀に現れる「アオハライソヒヨドリ M. s. pandoo」は体全体が青色です。

科学的分類

• - 学名: Monticola solitarius
• - 亜種一覧:

- Monticola solitarius philippensis（イソヒヨドリ）
- Monticola solitarius pandoo（アオハライソヒヨドリ）
- Monticola solitarius madoci
- Monticola solitarius longirostris
- Monticola solitarius solitarius

イソヒヨドリはその美しい姿と特徴的な鳴声から、多くの人々に親しまれる魅力的な鳥となっています。

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