イタリアの地方行政区画

イタリアの地方行政区画

イタリア共和国の行政構造は、州、県、大都市、コムーネといった階層により形成されています。2014年には「大都市、県及びコムーネの連合と合併に関する規定」が施行され、これに続いて2015年には県級の広域自治体として10の大都市が設立されました。これにより、地方行政区画の再編が進められています。

憲法における地方制度

イタリアの憲法第2部第5章には地方制度に関する具体的な規定があります。第114条では、共和国がコムーネ、県、大都市、州及び国から構成されることが明記されています。また、各自治体は憲法に基づく固有の権限を持つとしています。特に、ローマは共和国の首都として特別な地位を占め、法律によりその制度が規定されています。

行政区画の階層

州

州（レジョーネ）は、イタリアの第一級行政区分で、全土に20存在します。州は、選挙で選ばれた首長や評議会、議会を持つ広域自治体として機能しています。州には、特別自治州と通常州の2種類があり、特別自治州は5つ存在します。これらの州は憲法により特別な権利を付与されており、例えば独自の立法権を持つことが可能です。特別自治州としてはシチリア州やサルデーニャ州などがあります。

県

イタリアの第二級行政区画には、107の県が存在します。県には公選の議会と首長があり、主に県都がその名に由来しています。県の数は1990年以降の地方自治法の改正によって増加し、現在は80の県と14の大都市が存在しています。大都市は都心として機能し、特に行政的な権限が強化されています。

大都市

大都市（Città metropolitana）は、2014年に設立された新たな地方自治の形態です。これまでの県の枠組みを超えて、より広域的な問題に対応するために設けられました。大都市の首長は、その中心となる都市の市長が兼任し、間接選挙により選出される議会も設置されます。

特別自治州の制度

特別自治州は独自の制度を持ち、中でもヴァッレ・ダオスタ州はアオスタ県が廃止され、州が県を兼ねる形が取られています。シチリア州ではコムーネ自治組合が設置され、従来の県が改編されています。これにより、地域に応じた施策が推進されるようになっています。

県級行政区画の動向

県数の変化は1974年以降の地方分権化に伴い、増加の傾向を見せています。例えば、1990年代からも新たな県の設立が行われ、県境の見直しや統廃合が進行しています。サルデーニャ州では、県および大都市化が進み、新たな行政制度が導入されています。

基礎自治体とコムーネ

基礎自治体は、最も小さな自治体で、イタリアの地方行政の基盤を支えています。コムーネは各地域の住民に最も身近な存在であり、地元の行政サービスを提供しています。さらに、分離集落などの具合的な区画も設けられており、それぞれの地方特性に応じた形で、地方自治が運営されています。

結論

イタリアの地方行政区画は、その歴史的経緯や地域の特性に基づいて、工夫された制度が存在します。これらの行政区分は、地域住民のニーズに応じたサービスを提供するために、不断の改革と適応を繰り返しているのが特徴です。

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