イタリアン・グレイハウンド

イタリアン・グレイハウンド：古代から現代まで愛される気品あふれる小型犬

イタリアン・グレイハウンドは、その名の通りイタリア原産の小型犬種です。優美な容姿と穏やかな性格から、古くから人々に愛されてきました。本稿では、その歴史、特徴、性格などを詳しく解説します。

歴史：古代エジプトから現代へ

イタリアン・グレイハウンドの起源は、古代ローマ時代まで遡ると考えられています。しかし、その歴史はさらに古く、古代エジプトのファラオの宮廷にも小型のグレイハウンドが存在しており、イタリアン・グレイハウンドはその子孫であるという説もあります。ギリシャを経由してイタリアに渡来し、ルネサンス期には貴族の間で人気を博しました。多くの絵画に描かれるなど、当時の社会に深く根付いていたことが伺えます。

イギリスにはテューダー朝時代に渡来し、王室を含む多くの貴族に愛されました。その後、貿易を通じて世界中に広まり、近代になると貴族階級以外の人々にも飼育されるようになりました。プロイセン王フリードリヒ2世も愛犬家として知られ、愛犬のイタリアン・グレイハウンドをサンスーシ宮殿に埋葬したと伝えられています。ただし、サンスーシ宮殿にいたグレイハウンドは、イタリアン・グレイハウンドより大型の「ポツダム・グレイハウンド」だった可能性も指摘されています。

1880年代には、過度な改良によって体質が弱体化しましたが、1890年代に再改良が行われ、健康な体を取り戻しました。現在では世界中で高い人気を誇り、日本でも江戸時代に渡来し、古くから愛されています。国内でもブリーダーから入手することができ、多くの愛好家に支えられています。

特徴：優美なシルエットと繊細な体格

イタリアン・グレイハウンドは、体高32～38cm、体重は最高5kgの小型犬です。細身で洗練された体格は、グレイハウンドやスルーギを思わせる優美さを持っています。その容姿は、古代の姿からほとんど変わっていません。

頭部は細長く、幅が狭く、その長さは体高の40％に達します。頭蓋部は平らで、マズルとは平行です。目は大きく、表情豊かです。耳は小さく、折り畳まれており、注意を払っている時は、耳の付け根が立ち上がります。

頸部は細長く、筋肉質です。体長は体高とほぼ同じか、わずかに短いです。背は真っ直ぐで、腰はわずかにカーブしています。胸は深く、肋骨はよく発達しています。

四肢は細長く、直線的で、筋肉質です。足は小さめで、指はアーチ状に曲がっています。尾は低く付けられ、細く、先端に向かって細くなっています。

被毛は短く、滑らかで、光沢があります。毛色はフォーン、レッド、グレー、ブルー、クリーム、ホワイト、ブラックなど、多様なバリエーションがあります。ただし、ブラック・アンド・タン、ブルー・アンド・タン、ブリンドルは犬種基準から外れています。

性格：愛情豊かで従順な性格

イタリアン・グレイハウンドは、控えめながらも愛情豊かで従順な性格です。飼い主には忠実で、遊び好きで好奇心旺盛です。走るのが好きで、小さな獲物を追いかける習性もあります。一方、寒さやストレスには弱いため、注意が必要です。

まとめ

イタリアン・グレイハウンドは、その優雅な容姿と穏やかな性格から、古代から現代まで多くの人々に愛されてきた犬種です。その歴史と特徴、そして魅力的な性格を知ることで、より一層この犬種への理解を深めることができるでしょう。 飼育を検討する際には、寒さへの弱さや運動量の確保など、適切な飼育環境を整えることが重要です。

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