イタリア館・プラトン装飾美術館

イタリア館・プラトン装飾美術館：神戸の異国情緒漂う空間

神戸市中央区北野町に佇むイタリア館・プラトン装飾美術館は、1915年（大正4年）にアボイ氏によって建てられた歴史的建造物を改修した美術館です。別名「旧アボイ邸」とも呼ばれ、北野・山本地区の伝統的建造物として知られています。1991年（平成3年）に一般公開され、多くの人々を魅了し続けています。

貴重な芸術コレクション

館内は、18世紀から19世紀のイタリア、特にフィレンツェを中心とした装飾的な家具、調度品、絵画などが各部屋に展示されています。

目を奪われるのは、イタリア人彫刻家ビクター・エモーヌによる精緻な家具や暖炉。食堂を華やかに彩るこれらの作品は、当時のイタリアの洗練された芸術性を物語っています。絵画は、ミレー、コロー、ルソー、ボナールといった巨匠たちの作品が鑑賞できます。また、クローディオンやロダンの彫刻、年代物のランプや食器など、多岐にわたるコレクションが来館者を迎えます。さらに、ジャン・コクトーの自筆素描といった、非常に希少で価値の高い作品も展示されており、美術愛好家にとって必見の美術館です。

南欧風の美しい庭園

美術館の南側には、大理石の柱や彫刻で装飾された、南欧風の美しい庭園が広がります。プールの周囲には、優雅な空間を演出する植栽が配置され、訪れる人々に安らぎを与えます。プールサイドとバルコニーにはカフェテラスが設けられており、庭園の景色を眺めながら、喫茶を楽しむことができます。庭園だけでも訪れる価値のある魅力的な空間です。

建築概要とアクセス

この歴史的建造物の建築概要は以下の通りです。

竣工: 大正4年（1915年）
設計: 不詳
構造: 木造、切妻造、スレート葺、上げ下げ窓よろい戸付
規模: 本棟（地上2階、地下1階）、付属屋

アクセスは、山陽新幹線新神戸駅から徒歩15分、JR、阪急、阪神、地下鉄各線三宮駅から徒歩20分と、比較的便利な立地です。

開館情報

開館時間: 9:30 - 17:30
休館日: 年末年始のみ

周辺環境

イタリア館・プラトン装飾美術館は、神戸の異人館街として知られる北野町山本通に位置しています。「うろこの家・うろこ美術館」、「旧ドレウェル邸（ラインの館）」、「神戸北野美術館（旧アメリカ領事館官舎）」、「山手八番館（旧サンセン邸）」、「北野外国人倶楽部（旧ブリューガー邸）」、「展望塔の家」、「旧サッスーン邸」、「神戸モスク」など、多くの歴史的建造物や観光スポットに囲まれています。これらのスポットと合わせて巡ることで、神戸の歴史と文化を深く知ることができるでしょう。

イタリア館・プラトン装飾美術館は、歴史的建造物としての価値と、貴重な美術コレクションを鑑賞できる美術館としての魅力を兼ね備えた、神戸を代表する観光スポットの一つです。

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