いちご大福

いちご大福

いちご大福は、まるで和菓子界の新星とも言える存在で、イチゴの果実を包み込んだ大福餅のことを指します。この人気の和菓子は、時には「イチゴ大福」や「苺だいふく」とも表記されます。

特徴

いちご大福の大きな特徴は、求肥で包まれた餡の中に新鮮なイチゴが含まれている点です。製法には二つのスタイルが存在します。一つは、餡とイチゴを完全に求肥で包む方法で、もう一つは大福餅の切れ込みにイチゴを挿入する手法です。求肥の色はイチゴの色に合わせてピンクに染められることが多く、その見た目も楽しむことができます。さらに、生クリームを加えたり、地域や店舗によって小豆餡や白餡などを使い分けたりすることで、さまざまなバリエーションのいちご大福が存在します。

特性上、イチゴの新鮮さが求められるため、日持ちは比較的短めです。食べている時、舌にピリッとした感覚があることがありますが、これはイチゴから出る二酸化炭素によるものです。このピリピリ感は、時間が経つほど強くなる傾向があります。

最近では、いちごを代替する形で、キウイやオレンジ、ブドウなど様々な果物を使った「フルーツ大福」が人気を集めています。

歴史

いちご大福は、和菓子の中では比較的新しいジャンルです。大まかに言うと、昭和の後半、1980年代に登場したとされています。この創作は、ショートケーキにインスパイアを受けたとも言われており、生の果物を用いることから、当初は和菓子として異端視されることもありました。

いちご大福の起源にはさまざまな説があり、元祖とされる和菓子店として以下の店舗が挙げられます。

• - 東京都新宿区住吉町の「大角玉屋」
• - 東京都板橋区の「一不二」（2018年に廃業）
• - 三重県津市の「とらや本家」
• - 群馬県前橋市の「金内屋」
• - 三重県伊賀市の「欣榮堂」
• - 滋賀県大[[津市]]の「松田常盤堂」

特に「大角玉屋」はいちご大福の製造方法に関する特許を取得しており、「一不二」も実用新案登録を持っています。

和菓子全体の人気が低下している中でも、いちご大福はその流行を確立しました。具体的なエピソードとして、1987年1月21日に放送されたTBS系列『ザ・ベストテン』では、司会者の黒柳徹子が「最近、いちご大福が登場した」と話題にし、その場で歌手たちに振る舞う様子が放送されました。また、その年の9月に発行された漫画『美味しんぼ』の単行本第12巻でも「イチゴ大福が東京のとある店で始まってから大人気になり、全国で真似されるようになった」と紹介されています。

このように、いちご大福はその魅力とユニークさから、和菓子文化において特別な地位を確立しているのです。

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