イネス・リグロン

イネス・リグロン

イネス・リグロン（Inés Ligron、1962年11月16日 - ）は、フランス出身の実業家であり、かつてミス・ユニバース・ジャパンのナショナル・ディレクターを務めたことで知られる人物です。フランスの首都パリで生まれ、南仏モンペリエで育ちました。特に、彼女が指導にあたった期間に、日本代表が世界大会で顕著な成績を収めたことが高く評価されています。

経歴

リグロン氏は南仏モンペリエの高校を卒業後、美容学校で学びました。18歳で最初の結婚をし、21歳で長男を出産しました。この頃、美容学校に在学しながら、自身のビューティーサロンを開業し、実業家としての第一歩を踏み出しています。しかし、24歳で離婚を経験。新たな挑戦を求めてサロンを手放し、息子を連れてスペインへ移住しました。

その後、出張で訪れた香港で、SMJ代表取締役であるケン・バーガー氏と出会い、再婚します。香港に拠点を移したリグロン氏は、31歳の時に世界的なモデルエージェンシー、IMGモデルのアジア・パシフィック・ディレクターに就任。また、国際的な美容・ファッション関連事業を手がけるIBG（Inter Beaute Group）を設立し、活躍の場を広げました。

1998年（平成10年）、当時のミス・ユニバース機構の主宰者であったドナルド・トランプ氏からの直接の指名を受け、イネス・リグロン氏はミス・ユニバース・ジャパンのナショナル・ディレクターに就任します。翌1999年（平成11年）12月には、日本におけるミス・ユニバース事業の権利をトランプ氏から買い取り、自身の組織であるIBG Japanを設立し、日本代表選考・育成事業を本格的に主導する体制を構築しました。

指導者としての功績

リグロン氏のナショナル・ディレクター在任中、日本のミス・ユニバース代表は国際大会で目覚ましい成果を上げました。彼女の指導の下、日本代表はミス・ユニバース世界大会のトップ5に3度入賞しています。具体的には、2003年の宮崎京氏が第5位、2006年の知花くらら氏が第2位となりました。そして、2007年には森理世氏が見事にミス・ユニバース世界大会で優勝するという快挙を達成しました。これは、1959年に児島明子氏が優勝して以来、実に48年ぶりとなる日本人優勝者誕生であり、日本のビューティー界における歴史的な出来事として記憶されています。これらの功績が認められ、リグロン氏自身も「Best National Director award for Miss Universe 2007」を受賞し、その指導力が高く評価されました。

その後

2011年の東日本大震災の後、リグロン氏は拠点をシンガポールに移しています。現在の家族構成は夫と息子3人です。

著書

イネス・リグロン氏の成功と指導法は多くの関心を集め、複数の著書も刊行されています。

『世界一の美女の創りかた』（マガジンハウス、2007年）
『「世界一の美女」になるシークレット・レッスン(TODAYムック)』（主婦と生活社、2008年）
* 『世界一の美女の創りかた PART2』（マガジンハウス、2008年）

イネス・リグロン氏は、自身の豊富な経験と国際的な視点を活かし、日本のミス・ユニバース代表を世界の舞台で活躍させるための道を切り拓いた重要な人物として、日本のビューティー業界の歴史にその名を刻んでいます。

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