イノシトールトリスリン酸受容体

イノシトールトリスリン酸受容体について

イノシトールトリスリン酸受容体（IP3R）は、イノシトールトリスリン酸（IP3）によって活性化されるカルシウムチャネルとして機能する膜糖タンパク質の一群です。最初にネズミの小脳から精製され、その後他の生物にも広く存在することが確認されています。

分布

IP3受容体は、多くの組織に分布しており、特に小脳に豊富に存在します。これは、神経系の信号伝達や、細胞内のカルシウムシグナリングにおいて重要な役割を果たしています。最も多く見られるのは、小胞体膜に組み込まれているIP3受容体であり、細胞内でのカルシウムの放出や調整に寄与しています。

構造

IP3受容体は、分子量313 kDaのサブユニットからなる四量体構造を持っています。この四量体は、両生類、魚類、哺乳類において三つの異なるパラログ（IP3R-1、IP3R-2、IP3R-3）を形成することが知られています。これらの受容体は、ホモオリゴマーまたはヘテロオリゴマーとして集まることができ、それぞれ異なる機能を持つとされています。

特に、1型IP3受容体（IP3R-1）は、これらの中で最も広く発現しており、すべての組織および全ての発達段階において確認されています。このことは、IP3受容体が細胞の成長や発達に不可欠であることを示唆しています。

生理的役割

IP3受容体は、細胞内のカルシウム濃度を調整する重要な役割を果たしています。イノシトールトリスリン酸が受容体に結合すると、細胞内のカルシウムストレージである小胞体からカルシウムイオンが放出されます。これは、多くの生理的過程、包括的には筋収縮、神経伝達、細胞の増殖などを調整します。

関連項目

IP3受容体に関連する概念としては、イノシトール、イノシトールリン酸、イノシトールトリスリン酸などがあります。これらは全て細胞内のシグナル伝達経路において重要な役割を果たしています。また、ゼストスポンギンCという物質も、特定の条件下でIP3受容体に影響を与えることが知られています。

参考文献と外部リソース

更に詳細な情報は、アメリカ国立医学図書館の生命科学用語シソーラスを参照してください。この外部リソースでは、イノシトールトリスリン酸受容体に関する多くの情報が提供されています。

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