アメリカ国立医学図書館

アメリカ国立医学図書館（NLM）

アメリカ国立医学図書館（NLM）は、アメリカ合衆国の連邦政府が運営する、世界最大の医学図書館です。メリーランド州ベセスダに位置し、国立衛生研究所の一部門として、医学及び関連科学に関する700万冊以上の書籍や学術雑誌、技術報告書などの豊富なコレクションを保有しています。

図書館の目的と主な機能

NLMの主な目的は、医学に関する情報を収集、整理、そして提供することです。その役割は、医療従事者や研究者、一般市民に至るまで、広範囲な利用者に情報を届けることにあります。特に、PubMedやIndex Medicus、NCBI（国立生物工学情報センター）などの重要なデータベースを運営しており、これによって様々な医学研究や臨床の進展をサポートしています。

PubMedとIndex Medicusの歴史

1836年に設立されたNLMは、1879年からIndex Medicusを発行し始めました。これにより、約5,000誌の学術雑誌の内容を毎月更新し、多くの研究者にとって不可欠なリソースとなりました。2004年12月に出版が終了しましたが、その情報はPubMedに移行され、現在はフリーアクセスが可能です。これは、MEDLINEに収載された1960年代以降の1,500万以上の論文を含み、さらに1950年代の150万のリファレンスにアクセスできる仕組みです。

NLMのコレクションとデータベース

NLMの蔵書には、古典的かつ希少な医学書籍や研究論文、さらには貴重な写本やマイクロフィルム、画像資料が含まれています。このような膨大なデータベースは、主にEntrezを通じてオンラインで検索できるようになっており、分子生物学やバイオインフォマティクスの研究で使用されています。

歴史的背景

NLMは軍医総監局の一部門として1836年に誕生しました。その後、1862年には米軍病理学研究所や陸軍医学博物館が設立され、長い間、病理学に関する資料が蓄積されました。特に1866年から1887年の間、著名な館長ジョン・ショウ・ビリングスのもとで多くのリソースが整備されました。1956年には、国防総省から保健福祉省に移管され、図書館名も国立医学図書館へと変更されました。この時期に、フランク・ロジャースが館長として図書館の発展に寄与しました。

現在の活動と展望

今日、NLMはパトリシア・フラットレー・ブレナンが館長を務め、医療情報の提供を進めています。国立生物工学情報センターを通じて、インターネット上での情報アクセスも強化されており、医学に関心のあるすべての人々がその恩恵を受けられる環境づくりが進められています。NLMは、医療研究や情報提供の場として、今後も重要な役割を果たすことが期待されます。

公式ウェブサイト

また、NLMは公式ウェブサイトを持ち、各種データベースやリソースが公開されています。これは医療や生物学に関連する情報を広く提供するための重要な基盤となっています。

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