イノトモ

イノトモ

イノトモは、福岡県出身の日本のシンガーソングライターです。1973年3月15日に誕生しました。

来歴

高校卒業後の18歳で、イノトモは東京へ移り住みました。上京後は音響に関する専門学校で学び、その知識と技術を活かして、しばらくの間は劇団の舞台音響スタッフとして活動に携わります。舞台の世界で経験を積んだ後、彼女は音楽家としての自身のキャリアを本格的に追求することを決意します。

ミュージシャンへの転身を決意したイノトモは、東京の吉祥寺などを拠点に、精力的なライブ活動を展開し始めます。その独特の歌声と温かみのある楽曲は徐々に注目を集め、1998年にシングル「溶けてゆく午後」で満を持してメジャーデビューを果たしました。このデビューは、日本クラウンからのリリースでした。

メジャーデビュー以降、イノトモはその活動範囲を広げていきます。特にテレビ番組やコマーシャルソングの世界で多くの楽曲を提供し、その歌声やメロディーは多くの人々の耳に届きました。NHKの人気番組にも深く関わっており、「みんなのうた」では楽曲「わたげのお散歩」を発表し、広く親しまれました。また、同局の番組「しばわんこの和のこころ」では、番組主題歌の作詞、作曲、そして歌唱の全てを担当するなど、多才ぶりを発揮しています。その他にも、数多くの企業CMに楽曲を提供するなど、映像媒体との連携も盛んに行っています。

自身のソロ活動と並行して、イノトモは他の音楽家との共同プロジェクトにも意欲的に取り組んでいます。現在は、ゴンドウトモヒコや徳澤青弦といったミュージシャンと共に、「グリーンスケッチ」というユニットでも活動を展開しており、新たな音楽性を追求しています。

作品

これまでにイノトモは、コンスタントに自身の作品を発表し続けています。メジャーデビュー作を含むシングル作品に加え、多数のオリジナルアルバムをリリースしています。主なアルバムには、デビュー翌年の『グレイプフルウツ』や『風の庭』、『やさしい手。』など、日本クラウンから発表された初期作品があります。その後も『七色』、『夢』といった作品をリリースし、音楽性を深化させていきました。2005年には童謡を集めた『わたげのお散歩』を発表し、子供向けの楽曲でも才能を発揮。CMやTV番組に提供した楽曲を集めたベストアルバム『真昼の月～ベストCM・TVワークス』もリリースされており、彼女のタイアップワークの豊富さを示しています。近年の作品としては、『ねむるねこ』、『森と声』、『丘の向こう』、『終わりとはじまり』、『クリスマスのうた』など、多様なテーマのアルバムを発表しています。また、活動20周年を記念したベスト盤『inotomo 20th best 1998-2018』もリリースされています。ライブ活動も活発に行っており、その成果を収めたライブ会場限定盤や、映像作品として『イノトモ20周年コンサート』のDVDもリリースされています。

自身の作品以外にも、イノトモは様々なアーティストの作品に参加しています。benzo、田辺マモル、BAN BAN BAZAR、WORLD STANDARD、pal@pop、Rikuo、くるり、BEGIN、ハナレグミなど、幅広いジャンルの音楽家の作品に、主にコーラスやサイドボーカル、またはメインボーカルとして参加し、その歌声で彩りを加えています。また、杏子には楽曲を提供したこともあります。佐野史郎 meets SKYEの作品にも複数参加しており、近年もその活動は続いています。

オムニバス形式のコンピレーションアルバムにも多数参加しており、『Apple Of Her Eye りんごの子守唄』のようなコンセプトアルバムや、『にほんのうた第四集』のような坂本龍一が総合監修を務めた企画盤にも参加しています。これらの参加作品は、彼女が音楽界で広くリスペクトされ、多様なプロジェクトに求められていることを示しています。

タイアップ

イノトモの楽曲は、長年にわたり多くのメディアで使用されています。特にCMソングの実績は豊富で、ヤマサ、ハウス食品、ベルコ、第一三共ヘルスケア、三菱電機、ナカバヤシ、積水ハウス、花王、ナショナル、サンヨー食品、アイシア、シャルレ、サンアイホーム、サントリー、西鉄など、多岐にわたる企業のCMに楽曲提供や歌唱で携わっています。また、NHK Eテレの「いないいないばあっ！」への楽曲提供や、「おかあさんといっしょ」への楽曲提供、キッズステーションの番組テーマソングなども担当しており、子供向け番組でも活躍しています。その他、テレビ番組のエンディングテーマ（「にっぽん菜発見 そうだ、自然に帰ろう」「いい旅・夢気分」「どうぶつ奇想天外！」「ナマ・イキVOICE」「快傑えみちゃんねる」）、映画主題歌（「ねぼけ」）、短編映画の挿入曲など、その活躍の場は多岐にわたります。

イノトモの紡ぎ出す温かく心地よい音楽は、リスナーの日常に優しく寄り添い続けています。今後のさらなる活躍が期待されるアーティストです。

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