イフ (ブレッドの曲)

ブレッドの代表曲「イフ」：時代を超えて愛されるメロディ

「イフ」（If）は、1971年にアメリカのソフトロックバンド、ブレッド（Bread）によって発表された楽曲です。全米チャートで4位を記録し、ブレッドの代表曲の一つとして広く知られています。

楽曲解説

作詞作曲は、ブレッドのメンバーであるデヴィッド・ゲイツ（David Gates）が手掛けました。この曲は、ブレッドの3枚目のアルバム『マナ〜神の糧』（Manna）に収録されています。

イントロ部分で特徴的なサウンドを奏でているのは、モーグ・シンセサイザーとフェンダー・テレキャスターを組み合わせたものです。この独特な音色が、楽曲のロマンチックな雰囲気をより一層引き立てています。

歌詞は、一見するとロマンチックな愛の歌ですが、よく読むと終末思想的な要素も含まれていると言われています。この深みが、多くの人々を惹きつける理由の一つかもしれません。

世界中で愛されるカバー曲

「イフ」は、発表以来、数多くのアーティストによってカバーされています。フランク・シナトラ（Frank Sinatra）、オリビア・ニュートン＝ジョン（Olivia Newton-John）、バリー・マニロウ（Barry Manilow）といった大御所から、シャーリー・バッシー（Shirley Bassey）、フリオ・イグレシアス（Julio Iglesias）、ドリー・パートン（Dolly Parton）など、ジャンルを超えて幅広いアーティストがこの曲を取り上げています。日本でも、マリーン、ハービー・マン、ジョー・パス、イーディ・ゴーメらがカバーしています。

1974年には、アメリカの俳優テリー・サバラス（Telly Savalas）がカバーしたバージョンが、全英シングルチャートで1位を獲得しました。サバラスのバージョンは、彼の詩の朗読のような語りに、ストリングスとバックコーラスが被さるという独特のアレンジが施されています。

日本での展開

日本でも、「イフ」は多くのアーティストによってカバーされています。ジャッキー吉川とブルーコメッツ、森山良子、尾崎紀世彦、原田知世、斉藤由貴、阿川泰子、藤田恵美、伊東たけし、鈴木重子、小錦（KONISHIKI）など、様々なジャンルのアーティストが独自の解釈でこの曲を歌っています。また、ブレッド&バター、伊東ゆかり、ビリー・バンバンは、日本語訳詞でカバーしています。

「イフ」は、日本のCMソングとしても使用されています。カルピス食品工業や山崎製パンのCMで、この曲が使用されたことがあります。また、1994年には、フジテレビ系ドラマ『この愛に生きて』の挿入歌として採用され、それに伴い、1972年のヒット曲「ギター・マン」をカップリングに収録したCDシングルとして再リリースされました。

さらに、1999年のアメリカ映画「IN DREAMS/殺意の森|IN DREAMS_殺意の森」（ニール・ジョーダン監督作品）の劇中でも使用され、その美しいメロディが映画のシーンを彩りました。

「イフ」は、発表から半世紀以上が経過した現在でも、多くの人々に愛され続けています。その普遍的な魅力は、時代を超えて人々の心に響き、これからも歌い継がれていくことでしょう。

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