イボイノシシ属

イボイノシシ属（Phacochoerus）は、鯨偶蹄目イノシシ科に属する動物です。サハラ以南のアフリカ、特に乾燥地帯を含む開けた土地に生息しています。

かつてはイボイノシシ（Phacochoerus aethiopicus）1種と考えられていましたが、現在では以下の2種に分類されています。

Common warthog（Phacochoerus africanus）
Desert warthog（Phacochoerus aethiopicus）

形態

イボイノシシは剛毛に覆われていますが、体や頭部は遠目には無毛のように見えます。背中には稜線があり、頬や尾の先に房状の毛が生えているのが特徴です。顔にある肉垂はオスで特に顕著です。また、発達した牙を持っており、オスの牙は25cmから64cmにも達します（メスの牙はオスよりも小さいです）。

食性

主に植物食性ですが、昆虫などの小動物を食べることもあります。

生態

2種の間には生態に差異が見られます。Common warthog（Phacochoerus africanus）は上顎切歯を欠きますが、Desert warthog（Phacochoerus aethiopicus）は上顎切歯を持っています。

保全状況

2種ともIUCNレッドリストでは低危険種（Least Concern）として評価されています。しかし、Desert warthog（Phacochoerus aethiopicus）の基亜種であるCape warthog（P. a. aethiopicus）は、1870年代に絶滅しています。

イボイノシシは、その独特な外見と生態から、アフリカのサバンナを代表する動物の一つとして知られています。

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