イボンヌ・ブレイク

イボンヌ・ブレイク：国際的に活躍した衣装デザイナーの波瀾万丈な人生

イボンヌ・ブレイク（1940年4月17日-2018年7月17日）は、イギリス・マンチェスター出身の衣装デザイナーとして知られています。イギリスとスペインの二重国籍を持ち、国際的な舞台で活躍しました。彼女のキャリアは、数々の受賞歴と、映画界に多大な貢献を残した証となっています。

マンチェスターからハリウッドへ

ブレイクは1940年、マンチェスターで生まれました。マンチェスター芸術学校でデザインを学び、若くしてハリウッドへと進出します。24歳の時、アメリカ合衆国の映画で衣装デザインを担当した際、著名な映画プロデューサーから性的暴行を受けたと、後にハフポストのインタビューで明かしています。この経験は、彼女の人生に大きな影を落とす一方、彼女を強く、たくましくしたのかもしれません。

数々の名作に携わった衣装デザイン

ブレイクの才能はすぐに開花します。1971年には、フランクリン・J・シャフナー監督作品『ニコライとアレクサンドラ』でアントニオ・カスティージョと共に衣装デザインを担当し、アカデミー賞衣裳デザイン賞を受賞。この功績は、彼女のキャリアにおける大きな転換点となりました。その後も、リチャード・レスター監督作品『四銃士』などでアカデミー賞にノミネートされるなど、ハリウッドで成功を収めます。

彼女の作品リストには、『最後の谷』『ジーザス・クライスト・スーパースター』『三銃士』『四銃士』『ロビンとマリアン』『スーパーマン』といった、世界中で愛される名作映画が並びます。これらの作品において、彼女は時代考証に基づいた精緻な衣装デザインで、映画の世界観を豊かに彩ってきました。

スペインでの活躍と栄光

ハリウッドでの成功後、ブレイクはスペインの映画界へと活躍の場を広げます。スペインでは、ゴヤ賞を4度も受賞するなど、その才能を遺憾なく発揮しました。受賞作品には、『幻の城 バイロンとシェリー』（1988年）、『Cradle Song』（1994年）、『carmen.カルメン』（2003年）、『サン・ルイ・レイの橋』（2004年）などがあります。

さらに、2012年にはスペイン映画国民賞を受賞。これは女優以外の女性としては初の快挙でした。2014年にはヒホン国際映画祭で生涯功労賞を受賞し、その功績は高く評価されました。

スペイン映画芸術科学アカデミー会長への就任と晩年

2016年には、スペイン映画芸術科学アカデミー(AACCE)の会長代理に就任。同年9月には正式に会長に選出されました。しかし、2018年1月、脳卒中で倒れ、マドリードの病院に入院。会長職を辞任し、同年7月17日、78歳で死去しました。

ブレイクの功績

イボンヌ・ブレイクは、イギリスとスペインの映画界に多大な貢献をしました。アカデミー賞やゴヤ賞など数々の賞を受賞し、スペイン映画芸術科学アカデミー会長を務めたことは、彼女の卓越した才能とリーダーシップを示すものです。彼女のデザインした衣装は、数々の名作映画を彩り、世界中の観客を魅了しました。彼女の波瀾万丈の人生と、映画界への貢献は、これからも語り継がれていくでしょう。

もう一度検索