『イミテイション・ゴールド〜金爆の名曲二番搾り〜』
『イミテイション・ゴールド〜金爆の名曲二番搾り〜』は、
ヴィジュアル系エアーバンド、ゴールデンボンバーによって制作されたミニアルバムです。2009年1月1日にZany Zapレーベルより発表されました。この作品は、日本の音楽シーンにおいて広く知られる
ヴィジュアル系ではないアーティストたちの代表的なヒット曲を題材に、ユーモアと独自の解釈を加えて再構築した楽曲群を収録したコンセプトアルバムとして位置づけられています。また、当時のメンバーである天空城団吉が参加した最後のアルバムとしても、バンドの歴史において特筆すべき一枚となっています。
収録曲と解説
本作に収録されているのは、以下の5曲です。それぞれが特定の原曲を下敷きにしており、歌詞やサウンドにその影響が色濃く反映されています。
この楽曲は、
GACKTが2001年にリリースしたヒットシングル「ANOTHER WORLD」へのオマージュと考えられるタイトルと内容を持っています。
タイトルから推察される通り、
サザンオールスターズの代表曲「
TSUNAMI」(2000年)と、
桑田佳祐のソロ楽曲「
波乗りジョニー」(2001年)という二つの大ヒット曲を組み合わせた楽曲です。イントロ部分には、同じく
サザンオールスターズの名曲「
希望の轍」(1990年)を彷彿とさせるアレンジが施されています。歌詞の中には、
桑田佳祐の出身地としても知られる「茅ヶ崎」や「
江ノ島」といった地名が登場し、原曲への敬意とパロディが融合した内容となっています。
この曲のタイトルは、
CHAGE and ASKAが1991年に発表し社会現象となった楽曲「SAY YES」をもじったものです。原曲のドラマティックな世界観とは異なるアプローチで描かれています。
B'zのヒット曲の中から、「ultra soul」(2001年)と「
LOVE PHANTOM」(1995年)という二つの象徴的なタイトルを組み合わせた楽曲です。サウンド面においても、
B'zの「STAY GREEN 〜未熟な旅はとまらない〜」(2002年)に通じる要素が見受けられます。歌詞には、これまでに
B'zが発表してきた様々な楽曲のタイトルが巧みに織り交ぜられており、ファンであればニヤリとする仕掛けが多数盛り込まれています。ライブパフォーマンスにおいてもこの曲はハイライトの一つとなることがあり、
氣志團との対バンライブ「極東ロックンロール・ハイスクール」の「~3年B組金爆先生~
氣志團 vs ゴールデンボンバー」公演で披露された際には、ギタリストの喜矢武豊が
B'zのギタリスト
松本孝弘を模した衣装と、針金に
うまい棒を通して自作したギターを使って登場し、大きな話題を呼びました。
Aqua Timez|Aqua_Timezが2006年にリリースし、映画主題歌としてもヒットした楽曲「
千の夜をこえて」を基にした作品です。タイトルや歌詞のテーマにおいて原曲との関連性が見られます。
ベストアルバムへの収録
本作収録曲のうち、特に人気の高い楽曲は、後にリリースされたゴールデンボンバーのベストアルバムにも複数回収録されています。
- - 『ゴールデンベスト〜Pressure〜』(2010年1月6日発売)
「
TSUNAMIのジョニー」、「ultra PHANTOM」が収録されました。
- - 『The Golden Best for United States of America』(2012年6月18日発売)
海外向けにリリースされたこのベストアルバムには、「ultra PHANTOM」が収録されています。
- - 『フェスベスト』(2016年12月21日発売)
ライブやフェスで盛り上がる楽曲を集めたこのアルバムにも、「ultra PHANTOM」が選ばれています。
このように、『イミテイション・ゴールド〜金爆の名曲二番搾り〜』は、彼らのユーモアセンスと音楽的パロディの才能を示す初期の代表作であり、多くのファンに愛され続けている作品です。