イムディーナ

イムディーナ：静寂に包まれた古都の魅力

イムディーナは、マルタ島の中央部に位置する、マルタ最古の都市です。かつては首都として栄えましたが、現在は「静寂の町」として知られています。その名の通り、中世の面影を残す狭い路地が静かに佇み、訪れる人々を魅了します。

歴史

イムディーナの歴史は非常に古く、紀元前4000年以前にまで遡ります。紀元前700年頃にはフェニキア人によって要塞化され、軍事的な要所としての役割を担いました。ローマ帝国時代には、ローマの知事が邸宅を構え、60年には使徒パウロが難破後に滞在したと伝えられています。

現在のイムディーナという名前は、870年頃にマルタを支配したシチリアのアラブ人によって名付けられました。彼らは都市を堀と防御壁で囲み、隣接するラバトの町から切り離しました。

1091年にはノルマン人がマルタを征服。1565年のマルタ包囲戦では、聖ヨハネ騎士団がイムディーナを最後まで守り抜きました。1693年の地震で多くの建物が崩壊しましたが、マルタ人建築家ロレンゾ・ガファの設計により、聖堂が再建されました。

1883年にはマルタ鉄道が開通し、バレッタと結ばれましたが、1931年に廃止されました。

現在

現在、イムディーナはマルタを代表する観光地として、多くの人々が訪れます。広場に建つ聖パウロ聖堂がランドマークとなっており、ノルマン建築やバロック様式の邸宅や教会が混在する美しい景観が魅力です。城壁の修復工事も継続的に行われ、歴史的な景観が保護されています。

郊外にはラバトの町が広がっており、イムディーナとは対照的な賑わいを見せています。イムディーナ市内への自動車の乗り入れは制限されており、静かな環境が保たれています。ただし、地元住民の自家用車や救急車、結婚式の車などは許可されています。

見どころ

イムディーナには、歴史的な建造物や美術館など、数多くの見どころがあります。

聖パウロ聖堂: イムディーナのランドマーク。美しいバロック様式の建築が目を引きます。
ヴィルヘナ邸: 貴族の邸宅を公開。当時の生活様式を垣間見ることができます。
ファルゾン邸: 中世の貴族の邸宅。博物館として公開されています。
聖アガタ礼拝堂: 静かで落ち着いた雰囲気の礼拝堂。
聖ニコラオス礼拝堂: 歴史を感じさせる礼拝堂。
自然史博物館: マルタの自然に関する展示が充実。
カルメル会派教会・修道院: 美しい装飾が施された教会と修道院。
ベネディクト会派修道院: 歴史ある修道院。
* ギャラリー: 地元のアーティストの作品を展示。

イムディーナは、その静寂な雰囲気の中で、歴史と文化に触れることができる魅力的な都市です。マルタを訪れる際には、ぜひ足を運んでみてください。

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